セッション情報 ポスター

C型肝炎3

タイトル P-340:

C型慢性肝炎に対するテラプレビルを含めた3剤併用治療の初期使用経験

演者 濱田 晃市(総合南東北病院消化器科)
共同演者 西野 徳之(総合南東北病院消化器科), 中澤 敏弘(総合南東北病院消化器科), 十林 賢児(総合南東北病院消化器科), 斎藤 聡(虎の門病院肝臓センター)
抄録 【目的】テラプレビル(TPV)を含む3剤併用治療は1型高ウィルス量の難治性C型慢性肝炎に対して高い治療効果を示すが,重篤な副作用が高頻度に出現する.副作用をコントロールし100%の治療成績を目指す方法を検討した.【対象と方法】対象は3剤治療を導入し,12週間以上経過したゲノタイプ1型かつ高ウィルス量のC型慢性肝炎17例.男女比7:10,以下それぞれ平均と範囲は年齢57歳(32-70),体重61 kg(45-78),BMI24(20-30),IL28B(rs8099917)TT94%,肝癌の合併・既往なし,前治療はインターフェロン(IFN)単独無効1例,PEG-IFN+リバビリン(RVB)再燃5例,IFN-β+RVB再燃1例,無効2例,初回8例.開始時ALT71IU/L(15-205),Hb13.8g/dl(11.6-16.5),血小板14.7×104/μl(6.2-22.5),Shear Wave Elastographyによる肝硬度は8.2kPa(6.0-11.7).TPV開始量は2250mg/日群7例と1500mg/日減量群10例とし,RVBとIFNは体重別の規定量とした.【成績】1.HCV-RNAの陰性化:全例で陰性化が得られ,陰性化時期は1週0%,4週87%,8週17%であり,再燃なし.2.皮膚症状:65%にみられ,グレード1:2:3 2%:9%:9%であり,全てステロイド外用薬を使用.2例は内服ステロイド剤を併用しTPVを1-2週間休薬.症状改善時点でTPVを再開し,ステロイド中止後もTPV継続出来,RNAの陰性化は持続.3.高尿酸血症:77%にみられ,全例アロプリノール併用で基準値に戻り,腎障害例はなかった.4.減量・休薬と進捗状況:休薬は3例.2例は皮膚症状,1例は食欲低下・精神症状であったが,内服剤併用で継続可能であった.減量はHb低下,体重減少によるものでIFN7%,RVB92%,TPV70%であった.10例は20週経過.9例は24週経過し終了.1例は横紋筋融解症のため14週で中止.【結語】3剤治療はリスクが高いが,適応を慎重に決め,厳重な経過観察により,臨機応変に副作用に対応すれば,安全かつ有効な治療法であり,SVR100%に近い成績が見込まれると思われた.
索引用語