セッション情報 ポスター

C型肝炎4

タイトル P-346:

高齢患者に対するTelaprevir/Peg-IFN/RBV併用療法の初期治療効果と副作用の発現について

演者 中谷 泰樹(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科)
共同演者 上野山 義人(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科), 山下 幸孝(日本赤十字社和歌山医療センター消化器内科)
抄録 【目的】Protease阻害剤であるTelaprevir(TVR)が使用可能となり,genotype1型高ウイルス量C型慢性肝炎に対する飛躍的な治療効果の改善が期待されている.一方で治療に伴う様々な副作用も多数報告されている.今回我々は当院における3剤併用療法の現況を報告し,高齢者における初期治療効果,副作用を検討した.【方法】対象は平成24年1月から8月に3剤併用療法を行った43症例.A群65歳未満31例,B群65歳~74歳12例とし早期治療効果,副作用発現を比較した.【結果】投与状況はA群:TVR Full dose完遂18例(58.1%),途中減量4例(12.9%),投与中止9例(29%).B群:Full dose完遂1例(8.3%),途中減量6例(50%),投与中止5例(41.7%).中止例も含めたHCVRNA陰性化率はA群:1週3例(9.7%)4週20例(64.5%)8週6例(25.8%)無効1例(9.7%),治療後再燃1例(9.7%),B群:1週2例(16.7%)4週7例(58.3%)8週3例(37.5%)中止後再燃1例(8.3%)であった.B群において減量投与開始を4例行ったが,2例は副作用で中止,2例は更に減量し治療継続できた.副作用では両群ともに貧血が最多で,それぞれ72.3%,91.2%の発現率であった.皮疹はA群Grade1/2/3(15/5/3例)B群Grade1/2/3(5/2/3例).食思不振・倦怠感はA群77.5%,B群91.2%,血清尿酸高値はA群77.8%,B群91.2%,腎機能障害はA群25%,B群65.7%認めた.【結論】高齢患者においても,TVR減量投与することで65歳未満と同程度の完遂率,早期ウイルス陰性化が得られ一定の認容性が確認できた.しかしながらいずれの副作用項目においても高齢者群で高い発現率を認め,特に貧血,皮疹,腎機能障害においては,その程度が重篤な割合が高い傾向にあった.したがって高齢患者に対してはTVR減量投与が有効であり,TVR投与中の慎重な観察と副作用に対する迅速な対応を行いアドヒアランスを高めることが重要と考えられた.このことが最終的なSVR率改善に寄与するか否か,更なる症例の蓄積,経過観察が必要である.
索引用語