セッション情報 ポスター

C型肝炎5

タイトル P-350:

C型慢性肝炎に対する3剤併用療法におけるTelaprevir減量開始例での初期治療効果の検討

演者 楊 孝治(近江八幡市立総合医療センター消化器内科)
共同演者 三宅 隼人(近江八幡市立総合医療センター消化器内科), 全 圭夏(近江八幡市立総合医療センター消化器内科), 森沢 剛(近江八幡市立総合医療センター消化器内科), 石川 博己(近江八幡市立総合医療センター消化器内科), 赤松 尚明(近江八幡市立総合医療センター消化器内科)
抄録 【目的】Telaprevir(TVR)によって難治性1b高ウイルス量のC型慢性肝炎に対する高い治療効果が期待されているが,その有害事象は従来の治療法と比べ強くなると予想されている.そのため当院では,開始時ヘモグロビン(Hb)値が女性で14,男性で13g/dL以下,体重50Kg以下の症例ではTVRを1500mg/日に減量し投与を開始している.今回,TVR開始量別に初期治療効果と有害事象について検討した.【対象】当院で2012年8月までに3剤併用療法を導入した20例.男性8例,女性12例.初回治療6例,前治療Relapse7例,Partial responder3例,Breakthrough4例.IL28B TT 14例,TG/GG 6例.Core 70 Wild 9例,Mutant 7例,W=M 2例.ITPA CC 16例,CA/AA 4例.治療開始TVR2250mg群10例,1500mg群10例における初期ウイルス動態と有害事象について検討した.【結果】TVR2250mg群と1500mg群で平均年齢は54.1歳,59.3歳,男性7例,1例.HCV-RNA陰性化率(2/4/6/8/12/24週目)は2250mg群(3例:30%,8例:80%,8例:89%,9例:100%,8例:100%,5例:100%),1500mg群(2例:20%,7例:78%,8例:100%,7例:100%,6例:100%,3例:100%)といずれの時期でも両群間に有意差は認めず,経過中にBreakthroughは認めなかった.平均Hb値変化(4/8/12週目)はTVR2250mg群(-2.96,-4.15,-4.86g/dL),1500mg群(-2.99,-4.2,-4.43g/dL)で貧血の進行に差を認めなかった.TVR2250mg群と1500mg群で尿酸値上昇は9例(100%),5例(50%),T-Bil値上昇が3例(30%),1例(10%),eGFR値低下(<50)が5例(50%),3例(30%),grade3の皮疹は2例(20%),3例(30%)であった.【結論】TVR1500mg群で2250mg群と比較し尿酸値上昇,T-Bil値上昇,eGFR値低下が抑えられる傾向を認めた.TVR投与開始量で初期の抗ウイルス効果に差を認めなかったが,最終的な治療効果に関しては今後の検討が必要である.
索引用語