セッション情報 | ポスターC型肝炎5 |
---|---|
タイトル | P-353:C型慢性肝炎に対する3剤併用療法導入早期の腎機能障害発症予測因子の検討 |
演者 | 青山 友則(順天堂大学消化器内科) |
共同演者 | 内山 明(順天堂大学消化器内科), 柳沼 礼子(順天堂大学消化器内科), 福原 京子(順天堂大学消化器内科), 今 一義(順天堂大学消化器内科), 大久保 裕直(順天堂大学練馬病院消化器内科), 山科 俊平(順天堂大学消化器内科), 鈴木 聡子(順天堂大学消化器内科), 池嶋 健一(順天堂大学消化器内科), 國分 茂博(順天堂大学練馬病院消化器内科), 宮崎 招久(順天堂大学練馬病院消化器内科), 渡辺 純夫(順天堂大学消化器内科) |
抄録 | [背景]C型慢性肝炎に対する3剤併用療法による高いウイルス消失率の報告が相次いでいる.一方,テラプレビルによる副作用が多く発症しているものの,ウイルス消失率が極めて高いことから重篤な副作用をいかに阻止し脱落を防ぐことが求められてきている.今回我々は導入早期の腎機能障害発症予測因子について検討を行った.[方法]当施設で3剤併用療法を導入したC型慢性肝炎genotype1高ウイルス量33例を検討した.平均年齢57.1歳.男性23例,女性10例.初回14例,再燃15例,無効4例.導入時テラプレビル量2250mg 24例,1500mg 9例.導入後2週間以内に血清クレアチニン(Cr)1.3 mg/dL以上または推定GFR(eGFR)40 ml/min/1.73m2以下を呈した症例を腎機能障害発症例とした.[結果]33例中5例(15.1%)に腎機能障害を認め,そのうち2例が腎機能障害により脱落した.導入時テラプレピル投与量は2250mg 4例,1500mg 1例であった.腎機能障害発症時期は導入後平均3.8日後であった.腎機能障害発症例と非発症例を比較すると,平均年齢は発症例56.7歳,非発症例59歳と有意差を認めなかった.導入前血清Cr値は発症例0.85±0.13 mg/dL,非発症例0.68±0.12 mg/dLでありいずれも当施設の正常範囲内であったが,発症例で有意な高値を示した(P=0.020).また導入前eGFRは発症例83.8±15.6 ml/min/1.73m2,非発症例67.7±8.1 ml/min/1.73m2と発症例で有意な低値であった(P=0.043).一方,導入前の血清尿酸値は発症例6.58±1.29 mg/dL,非発症例5.87±1.08 mg/dLであり有意差は認めなかったが(P=0.209),発症例で高い傾向を示した.[結語]導入前血清Cr値が正常範囲内であっても,eGFRが70 ml/min/1.73m2以下であれば導入早期の腎機能障害を発症するリスクが高いことが考えられた.導入前eGFRが腎機能障害発症予測因子として有用であることが示唆された. |
索引用語 |