セッション情報 ポスター

C型肝炎5

タイトル P-354:

当院でのテラプレビル3剤併用治療の現状と副作用のため入院を要した3例の検討

演者 永野 拓也(香川県立中央病院肝臓内科)
共同演者 馬場 伸介(香川県立中央病院肝臓内科), 妹尾 知典(香川県立中央病院肝臓内科), 高口 浩一(香川県立中央病院肝臓内科)
抄録 【目的】当院では現在までに3剤治療を20例に実施してきたが,3剤併用期間中に薬剤の減量なく完遂できたのは1例のみであった.治療開始12週間の治療の状況と入院加療を要した症例について報告する.【対象】男性9例,女性11例で平均年齢は59.2±9.2歳.前治療なしが15%,前治療結果再燃65%,無効15%,不明5%.IL28BはTTが63%,TGが37%で,テラビック開始量は1500mgが12例,2250mgが8例であった.【結果】1.ウイルス陰性化:投与開始4週間で80%が陰性化し,8週間で全症例陰性化した.TTは全例持続陰性だが,TGの2例は貧血のため3剤休薬後陽性化しその後陰性化はない.2.薬剤調節:前記の2例を含めテラビック中止例は6例(30%),減量は7例(35%)で,2250mgで半数に減量が必要であった.PEGIFNの減量は全体の15%,中止・休薬は20%で共に1500mg開始で多い結果であった.RBVの減量は全体の95%,中止・休薬は35%存在し1500mgに多い結果であった.3.皮膚症状:90%に出現し,ほとんどが開始7日目までの出現であった.Grade 3は2例存在し,共にステロイドが著効した.4.副作用で入院を要した3例:1例は治療開始8週後に心不全を発症した.感染症が2例存在し1例は治療開始63日目に出現したGrade 3の皮膚症状に対してプレドニンを開始し,20日後に痂皮部から左肘皮下膿瘍・関節周囲膿瘍を形成し,敗血症と血行性散布性多発肺炎に至った.腎不全も発症し血液透析を9回実施した.もう1例は治療開始13週目,右殿部の水疱部が原因で右大腿から内閉鎖筋内側部膿瘍となり,ドレナージと回腸人工肛門が必要となった.【結語】3剤治療を減量なく完遂出来たのは1例のみで,95%は貧血のため薬剤の減量休薬中止が必要であった.当院から報告したPEGRBV治療時の重篤な感染症には細菌性髄膜炎と多発脳膿瘍の2例があるが共に3-4ヶ月で発症した.今回経験した皮膚が感染経路の2例も3ヶ月頃であり,3-4ヶ月頃の易感染性について注意しておくことが必要であると考え報告する.
索引用語