セッション情報 |
ポスター
C型肝炎5
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タイトル |
P-355:C型慢性肝炎例に対する3剤併用療法施行時の栄養管理におけるBCAA強化流動食投与の経験
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演者 |
堀田 直樹(増子記念病院肝臓内科) |
共同演者 |
綾田 穣(増子記念病院肝臓内科), 黒川 剛(増子記念病院肝臓外科) |
抄録 |
【目的】C型慢性肝炎に対して3剤併用療法(PEG-IFN+リバビリン+テラプレビル)が認可され,治療の向上は認められるようになったが,副作用として皮膚障害や貧血などが危惧される.また,食欲不振による栄養状態の悪化やQOLの低下も問題となり,治療を断念するケースも認められる.今回,3剤併用治療時に栄養療法としてBCAA強化流動食を使用した症例を報告する.【方法】3剤併用療法時に,BCA強化流動食(ヘパスセカンド)による栄養療法を導入し得た1型高ウイルス量C型慢性肝炎の男性2症例.いずれも同流動食を1日1本摂取するように指導し,現在治療中である.SF-8も施行し,試験前後にQOL調査を行っている.さらに,1症例においてはInbodyを用いて体組成も計測中である.【結果】症例1は,49歳男性.170cm,74g,A2F2.3剤併用療法開始後,Albは3.2,BTRは2.29まで低下したが,同流動食を治療開始時より継続摂取していたことにより,アミノ酸インバランスが改善され,12週後にはAlbは3.9,BTRは5.34まで上昇した.投薬量を調整しながら2週後ウイルスは陰性化し,栄養状態は良好に維持でき,現在投与継続中である.症例2は,48歳男性.169cm,72.4kg,A1F2.2週後ウイルスは陰性化し,全身倦怠感や食欲不振などの副作用もなく治療継続中であり,BTRおよびAlbの変動はみられてはいない.体重は8週で3kg低下しているが,Inbodyでの計測では脂肪量のみの低下で骨格筋の低下は認めていない.【結語】3剤併用療法の場合,栄養状態が低下する症例も認めやすいことから,そのような症例についてはBCAA強化流動食の利用は有用であることが期待される.今後は栄養療法が治療成績に及ぼす影響を検討する必要がある. |
索引用語 |
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