セッション情報 ポスター

胆道癌 化学療法

タイトル P-358:

手術不能胆道癌に対するインターフェロン併用5FU動注療法の成績

演者 八島 陽子(杏雲堂病院肝臓科)
共同演者 佐藤 新平(杏雲堂病院肝臓科), 河井 敏宏(杏雲堂病院肝臓科), 佐藤 隆久(杏雲堂病院肝臓科), 杉本 貴史(杏雲堂病院肝臓科), 菅田 美保(杏雲堂病院肝臓科), 小尾 俊太郎(杏雲堂病院肝臓科)
抄録 【目的】当科ではIFN併用の5FU動注療法が進行肝細胞癌に対して有効であることを報告してきたが,肝内病変が中心である手術不能の胆道癌に対しても同療法を行ってきた.今回はその成績を報告する.【方法】期間は2002年1月から2011年9月,対象はPerformance status(PS)が0か1の手術不能の肝内病変が中心の進行胆道癌患者.肝動脈にカテーテルを留置し,5FUを2500mg/bを5日間持続動注(Day1-5,8-12)し,IFNαを皮下注(Day1,8)した.4週間を1コースとして,2月ごとに画像評価を行い,PRが得られた場合は追加治療を検討し,SD/PDの場合はPSが低下するまで継続した.合併症をCTCAEに従い評価し,予後と関係する因子として患者背景,原疾患,治療開始時の腫瘍の大きさ・造影効果,他血液検査データとの関連を解析した.【結果】対象は25例で,疾患は肝内胆管癌23,胆嚢癌2例.前治療があるもの11人であった.PRが6例,SDが13例,PDが6例であった.1年生存率は40%で生存期間中央値は358日であった.生存期間範囲は22-2778日であった.PR症例のうち全身状態が良好であった2例で手術が可能となり,1例はRFAを行った.Grade3以上の副作用は,白血球減少が1例,血小板減少が3例,貧血が2例であった.いずれも保存的に改善した.診断時血液検査結果との解析で生存期間と有意に相関したのはアルブミン3.5g/dl以上であった.腫瘍の造影効果で解析すると腫瘍がCT後期相で最大径の3/4以下までしか染まらない群の方が3/4以上染まる群より予後が有意に長かった.年齢・性別・前治療の有無・PS・リンパ節転移の有無・腫瘍の最大径は有意に相関しなかった.【考察】IFN併用の5FU動注療法は副作用が少なく,患者の受け入れも良好であった.進行胆道癌患者の予後は不良であるが本治療でPRが得られた症例は長期生存が得られた.手術不能胆道癌患者に対する治療の1選択肢となりうる可能性がある.【結論】IFN併用の5FU動注療法は一部の進行胆道癌患者に有効である可能性がある.
索引用語