セッション情報 | ポスター胆道癌 化学療法 |
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タイトル | P-361:化学療法により長期生存が得られた切除不能肝門部胆管癌の2例 |
演者 | 古本 洋平(東京都立墨東病院内科) |
共同演者 | 港 洋平(東京都立墨東病院内科), 石橋 史明(東京都立墨東病院内科), 上山 俊介(東京都立墨東病院内科), 村松 雄輔(東京都立墨東病院内科), 宮本 勇治(東京都立墨東病院内科), 間野 真也(東京都立墨東病院内科), 村山 巌一(東京都立墨東病院内科), 堀内 亮郎(東京都立墨東病院内視鏡科), 浅野 徹(東京都立墨東病院内科), 佐崎 なほ子(東京都立墨東病院内科), 忠願寺 義通(東京都立墨東病院内科), 藤木 和彦(東京都立墨東病院内科) |
抄録 | 【背景】切除不能胆道癌はGEM/S-1/CDDPなどの化学療法により生存期間が延長してきているが,未だ長期生存が望みにくい.今回,長期生存が得られた2症例を経験したので報告する.【症例1】61歳男性.肝機能障害にて2009/12当科を紹介受診.CT/ERCPなどにて肝門部胆管癌,閉塞性黄疸と診断.plastic stentにてドレナージ後に外科的手術を施行したが,脈管浸潤が強く切除を断念したため,metalic stentに入れ替えた後にGEMを開始した.その後13コースまでGEMを継続したが,全身状態悪化のため2010/12で中止となった.化学療法中止後もCTにて増悪の所見なく,現在まで32か月無増悪生存が得られている.【症例2】84歳女性.右季肋部痛,肝胆道系酵素上昇にて2010/9当科紹介受診.腹部CTにて肝門部胆管癌が疑われ精査加療目的に入院した.MRCP/ERCP/CTなどの所見からBismuth4型の肝門部胆管癌と診断.切除不能と判断され,予防的にplastic stentを挿入後GEMを8コース施行した.骨髄抑制が強く治療継続が困難であったため2011/5よりS-1へ変更した.現在S-1 11コース施行しているが,CT上増悪の所見なく投与を継続.現在23か月無増悪生存が得られている.【考察】切除不能胆道癌に対するGEM/S-1の臨床試験での治療成績はGEM:奏効率17.5%,MST 7.6M,S-1:奏効率30.5%,MST 9Mとされている.今回の2症例はこれまでの報告と比較すると著明な長期生存が得られており,特に症例1は無治療にて病勢が悪化しないことも考えると,画像評価が難しいがCRの可能性も考えられる.治療効果判定はCTやMRIが用いられることが多いが,閉塞性黄疸で発見されステントが挿入される例も多く治療効果判定が困難なこともある.特に局所進行癌の著効例に対して画像評価をどのように行うべきか,どの時点まで化学療法を継続すべきかは今後の課題である. |
索引用語 |