セッション情報 | ポスター胆道癌 診断 |
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タイトル | P-363:FDG-PET画像によって黄色肉芽腫性胆嚢炎と胆嚢癌は鑑別可能か? |
演者 | 野沢 彰紀(大阪市立大学大学院肝胆膵外科学) |
共同演者 | 竹村 茂一(大阪市立大学大学院肝胆膵外科学), 坂田 親治(大阪市立大学大学院肝胆膵外科学), 上西 崇弘(石切生喜病院外科), 浦田 順久(大阪市立大学大学院肝胆膵外科学), 西岡 孝芳(大阪市立大学大学院肝胆膵外科学), 木下 正彦(大阪市立大学大学院肝胆膵外科学), 濱野 玄弥(大阪市立大学大学院肝胆膵外科学), 東山 滋明(大阪市立大学核医学), 塩見 進(大阪市立大学核医学), 東野 健(NTT西日本大阪病院外科), 久保 正二(大阪市立大学大学院肝胆膵外科学) |
抄録 | 【目的】現在,MDCTやMRI,USなどさまざまな画像診断装置が発達しているが,黄色肉芽腫性胆嚢炎(XGC)と胆嚢癌,特に壁肥厚型の胆嚢癌との鑑別はしばしば困難である.一方,胆嚢良性病変と胆嚢癌の鑑別におけるFDG-PETの有用性が報告されている.しかしXGCはFDG-PET疑陽性病変として集積像を認めることが多く,また他臓器,特に肝浸潤所見のような集積を認めることがある.そこでXGCと胆嚢癌におけるFDG-PET所見を比較し,鑑別診断におけるFDG-PETの有用性を検討した.【方法】2001年から2011年末までに当科で胆嚢摘出術(多臓器合併切除を含む)が施行された症例のうち術前にFDG-PETが施行されたXGC 5例,胆嚢癌6例および慢性胆嚢炎2例を対象とした.【結果】XGC5例のSUV-MAX値は3.23から10.8と広範囲に分布(中央値9.88)していた.胆嚢癌のSUV-MAX値は5.1から9.1に分布(中央値6.45)していた.慢性胆嚢炎のSUV-MAX値は2.8および4.7で(中央値3.75),XGCよりSUV-MAX値は低い傾向がみられた.FDGの集積形態を検討すると,XGCでは肝への浸潤性集積像を伴う全周性集積像がみられたのに対し,胆嚢癌では3例に腫瘤内集積像,3例に全周性集積像がみられ,さらに全例に肝への浸潤性集積像がみられた.慢性胆嚢炎においても全周性集積像がみられたが,肝への浸潤性集積像はみられなかった.【考察】XGCでは炎症の程度により幅広いSUV値を呈し,慢性 胆嚢炎より高いSUV値の分布であった.胆嚢癌のSUV値は慢性胆嚢炎よりも高いものの,分布範囲はXGCのそれよりも狭く,全周性ではなく腫瘤内集積像を示す例が見られた.【結論】FDG-PETによるXGCと胆嚢癌の鑑別は容易でないが,症例によってはその集積形態の検討が鑑別の補助となることが示唆された. |
索引用語 |