セッション情報 ポスター

胆道癌 診断

タイトル P-365:

腹部超音波検診における胆嚢摘出後の肝外胆管径の検討

演者 中河原 浩史(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野)
共同演者 小川 眞広(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 西尾 みどり(みつわ台総合病院消化器科), 宮田 隆(みつわ台総合病院消化器科), 三浦 隆生(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 高橋 利実(みつわ台総合病院消化器科), 松岡 俊一(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 森山 光彦(日本大学医学部内科学系消化器肝臓内科学分野), 中田 泰彦(みつわ台総合病院外科)
抄録 【目的】肝外胆管径は胆嚢摘出や加齢の影響を受けると言われており,正確な基準値の設定が難しいのが現状である.超音波がん検診基準では胆嚢摘出後では11mm以上を拡張としており,当院でもこの判定を用いているが肝外胆管拡張で精査を行っても異常所見を認めないことも多い.そこで胆嚢摘出後症例の肝外胆管径について検討を行った.【方法】対象は2007~2011年に当院検診センターの腹部超音波検診で胆嚢摘出後と判定された202例とした.保存された超音波画像を用いて,肝外胆管が最も拡張した部分の前壁エコーの立ち上がりから後壁エコーの立ち上がりまでを測定し肝外胆管径とした.肝外胆管径と年齢,性別,身長,体重,AST,ALT,γ-GTP,ALP及び追跡可能症例では最終診断と検討を行った.胆嚢摘出後年数が追跡可能症例では,摘出後年数と肝外胆管径についても検討した.統計解析は一元配置分散分析法を用いP<0.05を有意差ありとした.【結果】平均年齢57歳,平均肝外胆管径は7.7mm.年齢別では40歳以下6.5mm,41~50歳7.4mm,51~60歳7.6mm,61~70歳8.2mm,71歳以上8.8mmと年齢と共に拡張がみられた.体重50kg以下8.2mm,51~60kgで8.1mm,61~70kgで7.6mm,71~80kgで7.6mm,81kg以上で7mmと体重増加に伴い縮小がみられた.肝外胆管拡張は23例で,追跡できた10例には胆道疾患はなかった.胆嚢摘出後年数が検討可能であった129例の肝外胆管径は,摘出後1~10年7.5mm,11~20年8.2mm,21年以上10.7mmで摘出後年数増加に伴い拡張がみられた.肝外胆管径と年齢,体重,胆嚢摘出後年数で有意差を認めた.【考察】肝外胆管は年齢,体重,胆嚢摘出後の年数の影響を受けていると考えられた.検診においては年次推移も重要であると考えられるが,年齢,体重や胆嚢摘出後年数も考慮した肝外胆管径の基準値設定も今後必要であると考えられた.
索引用語