セッション情報 ポスター

胆道癌 診断

タイトル P-368:

当院における胆石合併胆嚢癌症例の臨床病理学的検討

演者 高木 智史(札幌社会保険総合病院内科・消化器科)
共同演者 今井 亜希(札幌社会保険総合病院内科・消化器科), 加藤 総介(札幌社会保険総合病院内科・消化器科), 吉田 純一(札幌社会保険総合病院内科・消化器科), 腰塚 靖之(札幌社会保険総合病院内科・消化器科), 谷 安弘(札幌社会保険総合病院外科), 富岡 伸元(札幌社会保険総合病院外科), 中川 隆公(札幌社会保険総合病院外科), 松岡 伸一(札幌社会保険総合病院外科), 秦 温信(札幌社会保険総合病院外科), 佐々木 文章(札幌社会保険総合病院外科), 吉川 裕幸(札幌社会保険総合病院放射線科診断科), 高橋 秀史(札幌社会保険総合病院病理診断科)
抄録 【目的】今回我々は胆石症の診断で手術が行われ,術後に胆嚢癌と診断された症例の臨床病理学的事項につき検討することを目的とした.【対象】2001年4月から2011年3月までの過去10年間に胆石症の診断で手術が行われ,術後に胆嚢癌と診断された11例を対象とした.【結果】男性5例,女性6例であり,年齢は63歳から88歳で平均73.2歳であった.術前に3例は胆嚢癌の合併が疑われていた.術式は腹腔鏡下胆嚢摘出術が5例,開腹胆嚢摘出術が6例に行われていた.開腹術は術前に胆嚢癌が疑われたものや高度癒着を有する例で行われていた.肉眼形態分類では結節浸潤型4例,平坦型4例,乳頭浸潤型3例であった.深達度ではm2例,ss5例,se1例,si3例であった.胆道癌取扱い規約に従ったStage別ではStage I 2例,Stage II 4例,Satge III 1例,Stage IVa 2例,Stage IVb 2例であった.術後の追加治療としては,手術が4例,手術+放射線治療が1例,化学療法が1例に行われていた.m癌の2例と希望されなかった3例は,通常の胆嚢摘出後,そのまま経過観察されていた.転帰としてはStage別に見てみると,Stage Iの2例は再発なく経過している.Stage II4例のうち3例は再発なく経過しているが1例は術後1年2か月後に再発をきたした.Stage IIIの1例は追加治療として手術と放射線治療が行われたが,術後3年で肺転移をきたした.Stage IVaの2例は術後追加手術が行われたが,3か月と4年後に再発をきたした.Stage IVbの2例のうち1例は術後3か月で再発をきたし,1例は化学療法が行われていたが1年後に永眠された.【結論】m癌の症例は再発なく経過しているが,診断時にStageの進んだ症例では予後不良であった.平坦型の存在があり,術前の診断が困難となっている要因であると考えられた.
索引用語