セッション情報 ポスター

胆道1

タイトル P-371:

急性胆嚢炎に対する経皮経肝胆嚢ドレナージ術(PTGBD)についての検討

演者 野村 祐介(医療法人川崎病院消化器内科)
共同演者 青木 領太(医療法人川崎病院消化器内科), 西田 悠(医療法人川崎病院消化器内科), 竹内 庸浩(医療法人川崎病院消化器内科), 多田 秀敏(医療法人川崎病院消化器内科), 前田 哲男(医療法人川崎病院消化器内科)
抄録 【目的】急性胆管炎・胆嚢炎の診療ガイドラインによれば,急性胆嚢炎に対して早期の胆嚢摘出術が望ましいとされている.しかし実際は緊急手術が困難な場合が多く胆嚢ドレナージが行われることが多い.当院で急性胆嚢炎に対して行った経皮経肝胆嚢ドレナージ術(PTGBD)症例について,その有用性と安全性を評価する.【方法】対象は2007年1月から2012年8月までに当院で入院加療を受けた重症および中等症の急性胆嚢炎症例のうちPTGBDを行った102例(男性60例,女性42例).平均年齢は73.7歳.治療転帰と合併症についてretrospectiveに検討した.【結果】重症度は重症38例,中等症64例.全例にドレナージ手技は成功した.1例でPTGBDにても胆嚢炎が改善せずに緊急胆嚢摘出術となった.胆嚢炎に関連する死亡6例(5.8%).他の95例ではドレナージにより胆嚢炎は改善した.胆摘は51例(50%)(腹腔鏡40例,開腹11例)に行った.胆摘しなかった症例のうちの4例は胆嚢炎が再発し再度PTGBDを要した.総胆管結石の合併を22例(21.5%)に認めた.入院期間中の死亡は15例(14.7%)(胆嚢炎に関連する死亡6例,他病死9例)であった.PTGBDによる合併症は出血2例,胸腔内穿刺3例,逸脱2例,自己抜去1例,閉塞1例であった.出血例のうち1例は腹腔内出血にて死亡し,もう1例は胆嚢出血の凝血塊にて閉塞性胆管炎を来した.胸腔内穿刺のうち1例は膿胸となり胸腔ドレナージを要した.【結論】急性胆嚢炎に対するPTGBDは手技が比較的容易で不成功例がない上に治療効果に優れていることが示唆された.しかし,無効例やPTGBDによる合併症症例もみられ,今後,他の治療法との比較検討を要するものと考えられる.
索引用語