セッション情報 ポスター

胆道1

タイトル P-372:

経皮経肝的胆道ドレナージ関連手技の併発症と安全性の検討

演者 佐藤 悦基(昭和大学医学部消化器内科)
共同演者 吉田 仁(昭和大学医学部消化器内科), 岩田 朋之(昭和大学医学部消化器内科), 野本 朋宏(昭和大学医学部消化器内科), 山崎 貴久(昭和大学医学部消化器内科), 湯川 明浩(昭和大学医学部消化器内科), 本間 直(昭和大学医学部消化器内科), 北村 勝哉(昭和大学医学部消化器内科), 今村 綱男(昭和大学医学部消化器内科), 池上 覚俊(昭和大学医学部消化器内科), 田中 滋城(昭和大学医学部消化器内科)
抄録 【背景】閉塞性黄疸や胆道感染症に対する治療選択肢として,経皮経肝的胆道ドレナージは内視鏡的胆道ドレナージと並んで重要な治療手段である.超音波装置の進歩に伴い比較的安全に施行可能な手技となってきているとされるが,併発症に関する報告は新しい文献が少なく,近年の状況を検証する必要がある.そこで,当院における経皮経肝的胆道ドレナージ関連手技を施行した症例に対して併発症を中心に検討し,既報データと比較した.【方法】2010年1月から2012年8月までに当施設において施行した経皮経肝的胆嚢ドレナージ(PTGBD)70例(新規68例,交換2例),経皮経肝的胆管ドレナージ(PTBD)74例(新規31例,交換43例),経皮経肝的膿瘍ドレナージ(以下PTADと略す)19例(新規17例,交換2例)の計163例について手技成功率,併発症率などを検討した.いずれも穿刺処置のみを検討の対象とし,造影検査は含めなかった.【結果】手技成功率は全体で97.6%(159例/163例)であり,内訳はPTGBDが100%,PTBDは94.6%(70例/74例,新規90.3%,交換97.7%),PTADは100%であった.併発症率は全体で4.29%(7例/163例)であり,内訳はPTGBDが4.29%(3例/70例),PTBDは5.41%(4例/74例,新規6.45%,交換4.65%),PTADは0%であった.併発症の内容は,胆道感染が4例,穿孔が2例,気胸が1例,tube逸脱が1例で,出血は認めなかった.併発症はいずれも内科的治療で改善が得られ,外科的加療を要した症例や死亡例は認めなかった.不成功4例のうち2例は後日再施行し成功が得られ,ほかの1例は内視鏡的ドレナージで,もう1例は外科的加療で対応した.【考察】当施設において経皮経肝的胆道ドレナージ関連手技はほとんどの症例で完遂可能であり,また既報データと比較すると安全に施行可能であった.併発症は少なからず経験されるが,いずれも重篤な転帰に至らなかった.手技の安全性の向上についても併せて検討する.
索引用語