セッション情報 ポスター

胆道1

タイトル P-374:

当院における超高齢者(90歳以上)に対するERCPの検討

演者 山崎 正美(箕面市立病院消化器内科)
共同演者 平野 美樹(箕面市立病院消化器内科), 渡邉 由佳(箕面市立病院消化器内科), 谷 奈緒子(箕面市立病院消化器内科), 山北 剛史(箕面市立病院消化器内科), 西原 彰浩(箕面市立病院消化器内科), 由良 守(箕面市立病院消化器内科), 高石 健司(箕面市立病院消化器内科), 田村 信司(箕面市立病院消化器内科)
抄録 【目的】当院での超高齢者におけるERCPの成績を検討した.【方法】対象は2009年1月から2012年7月の間,当院において施行した90歳以上(90~103歳)の超高齢者33症例(男性4例,女性29例)で,平均年齢94.2歳である.そのうち初回ERCPは23症例であった.初回の胆管挿管成功率,偶発症,処置後から食事再開までの日数,在院期間及び予後を検討した.【結果】当院における同一期間でのERCP総数は641回であり,後期高齢者は320回(49.8%),90歳以上の超高齢者のERCP回数はのべ48回(7.5%)で,そのうち100歳以上は8回(1.2%)であった.ERCPの目的は全例治療(ドレナージもしくは採石)であり,疾患は総胆管結石27例(81.8%),膵臓癌3例(9.1%),胆管癌3例(9.1%)であった.処置内容はEBD26例,採石17例,処置不成功5例(乳頭未到達3例,挿管不成功1例,造影のみ1例)であった.抗血小板・抗凝固薬は9例(27.3%)で服薬していた.入院後より初回処置までの日数は入院当日~48日目で,平均4.5日目であった.初回での胆管挿管成功率は83.3%で,当院での75歳未満での成功率93.5%と比較し低かった.偶発症は膵炎,胆管炎がそれぞれ1例(2.1%)ずつ,EST後出血は3例(6.3%)あったが,止血処置を要したのは1例で,いずれも抗凝固薬を服用していた.経口摂取が可能な場合の食事再開までの日数は平均3.6日(2~10日),在院日数の平均は25.5日間(4日~133日)であった.死亡退院となった症例は5例で,全例癌患者であるが,そのうち1例は肺炎により死亡した.胆摘目的で外科転科となった症例が5例(15.2%)あった.【結論】超高齢者でも処置自体は安全に施行でき,重篤な合併症もなかった.経口摂取が可能な症例では他の年齢層とほぼ同じ日数で食事が再開でき,入院日数も変わらなかった.入院長期化の原因としては誤嚥性肺炎の併発や入院によるADL低下が原因として挙げられた.一方処置までの日数が長くなる要因として,当初は保存的治療で経過観察したためと考えられた.
索引用語