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胆道2

タイトル P-375:

中下部悪性胆道狭窄に対する胆道ドレナージ術

演者 白鳥 俊康(亀田総合病院消化器内科)
共同演者 平田 信人(亀田総合病院消化器内科), 中路 聡(亀田総合病院消化器内科)
抄録 【目的】中下部悪性胆道狭窄のドレナージ法は内視鏡的アプローチが推奨されるが,困難例も存在する.原因として消化管狭窄に伴う乳頭到達不能,乳頭部腫瘍浸潤に伴う深部胆管挿管困難等が挙げられる.今回,当院における胆道ドレナージ術の現状と治療戦略を報告する.【方法】2009年4月~2012年9月に施行した359例を対象としドレナージ法について検討.当院では経乳頭的ドレナージを第一選択とし,消化管狭窄による乳頭到達困難例では,消化管バルーン併用の十二指腸鏡挿入や直視鏡反転下での胆管挿管を施行.乳頭部と狭窄部に距離がある症例は消化管ステント留置後に経乳頭的ドレナージを施行し,乳頭部が消化管狭窄に巻き込まれている場合はEUS-CDSを選択.乳頭部浸潤による深部挿管困難例では膨大部切開術,胆道狭窄部通過困難例では経皮ランデブーを施行.いずれの方法でもドレナージ困難な場合はPTBDを施行.【結果】内視鏡的ドレナージ成功率は97.5%(350/359).通常の経乳頭的ドレナージは92.8%(333/359)で可能.困難例は26例.主な原因は,乳頭浸潤に伴う深部挿管不能2例,消化管狭窄に伴う十二指腸鏡挿入不能17例(狭窄部は噴門部1,前庭部4,球部5,下行部7).前庭部~球部狭窄の内4例は消化管バルーン併用で狭窄部を突破,5例は消化管ステント留置後に経乳頭的ドレナージを施行.噴門部狭窄1例と下行部狭窄の内2例で直視鏡での経乳頭的ドレナージ,4例でEUS-CDS,1例で経皮ランデブー法施行.乳頭部腫瘍浸潤に伴う深部挿管困難は29例で,27例が膨大部切開で深部挿管可能だった.胆道狭窄部通過不能は2例で,1例で経皮ランデブー法を施行.【結論】EUS関連手技の発展や消化管ステントの保険収載により,従来経乳頭的アプローチが困難だった症例も内視鏡的ドレナージ術が可能となった.特に消化管狭窄合併例への内視鏡的ドレナージの可能性が広がったが,ドレナージ法決定の上で狭窄部と乳頭部の位置関係が最も重要だ.高齢化の進む現代において内瘻化の重要性は増してくると考えられ困難原因に応じた手技・戦略の体系化が必要だと考えられる.
索引用語