セッション情報 ポスター

胆道2

タイトル P-376:

肝門部胆管癌に対するinside stentの有効性に関する検討

演者 渡邉 誠太郎(横浜市立大学附属病院消化器内科)
共同演者 佐藤 高光(横浜市立大学附属病院消化器内科), 細野 邦広(横浜市立大学附属病院消化器内科), 前田 愼(横浜市立大学附属病院消化器内科), 中島 淳(横浜市立大学附属病院消化器内科), 窪田 賢輔(横浜市立大学附属病院消化器内科)
抄録 【背景】胆道狭窄に対する従来までのplastic stent(PS)は有用であるが,胆汁逆流現象や,食残での閉塞による急性胆道炎が問題であった.これらの機序を防止するため,PSを胆道内に迷入させたinside stent(IS)が行われている.ISの肝門部胆管癌に関しての報告は少なく,R0切除を目指したneoadjuvant chemotherapy(NAC)も試みられるようになり,術前に2-3か月の安定した胆道ドレナージ期間が求められている.【目的・方法】当院では2010年3月より,肝門部胆管癌の術前症例とNAC症例に対しISを導入した.通常のPS留置(PS群)とIS(IS群)を比較し,その有効性と安全性を評価した.PSはISではGeenen Pancreatic Stent(COOK Medical)7Frにhand madeで紐付きとしたものを使用し,BismuthII以上の狭窄ではPSを2本以上留置し両葉ドレナージを行った.NAC症例では約3か月後にresectabilityを判断した.【結果】PS,ISともに49例ずつ施行した.留置後3か月以内に緊急ドレナージを要したのはPS群で29件(59.2%),IS群で28件(57.1%)であり,有意差は認めなかった.平均開存期間はそれぞれPS群63.2日とIS群73.8日であり(P=0.45),IS群の方がステント開存期間が長い傾向にあった.初回留置から3か月間でのステント交換回数はそれぞれPS群1.47回とIS群0.95回(P=0.14)であり,IS群の方が少ない傾向にあった.抜去時の合併症として,PS群で迷入2例.IS群では迷入1例,胆管十二指腸穿通例が2例であった.【結語】inside stent(IS)は通常型のPSと比較し,今後の検討にもよるが,ステント開存期間の若干の延長と,急性胆道炎の発生率の低下を期待できる可能性がある.ISはStraight forwardの手術症例の切除までのENBDの代替や,NAC中の胆管炎のコントロールに有用となり得る選択肢の一つであると考えられた.
索引用語