セッション情報 |
ポスター
胆道2
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タイトル |
P-379:術後再建腸管を有する胆膵癌の悪性胆道狭窄に対するERCP関連手技の検討
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演者 |
小山 里香子(虎の門病院消化器内科) |
共同演者 |
田村 哲男(虎の門病院消化器内科), 小泉 優子(虎の門病院消化器内科), 今村 綱男(虎の門病院消化器内科), 竹内 和男(虎の門病院消化器内科) |
抄録 |
【目的】Billroth II(B-II)法・Roux-en-Y(R-Y)法・胆管空腸吻合などの再建腸管を有した症例へのERCP関連手技は以前は困難だったが,近年の技術およびデバイスの進歩により可能な症例が増加している.今回我々は術後再建腸管を有する切除不能胆膵癌の減黄アプローチとしてERCP関連手技を行った症例を検討した.【方法】2009年1月から2012年8月までに当院で施行したERCPは1584件,うち術後再建腸管に対してERCPが行われたのは121件であった.悪性胆道狭窄は30件で,食道癌・胃癌のリンパ節転移による閉塞性黄疸の7件を除く23件が胆膵癌であり,今回の対象とした.検討項目は(1)乳頭または胆管吻合部への到達率,(2)胆管造影成功率,(3)処置完遂率,(4)偶発症とした.【結果】閉塞性黄疸の原因となった疾患の内訳は,胆管癌:11件,膵癌:7件,HCC胆管浸潤:5件.再建法はR-Y法:4件,B-II法:3件,胆管空腸吻合術後:6件(PpPD後:3件,胆管切除術後:2件,膵全摘後:1件),胆管十二指腸吻合術後:8件,その他:2件.使用スコープは上部消化管用直視鏡:10件,側視鏡(JF-260V):2件,ダブルバルーン内視鏡(DBE:BI5):8件,大腸用直視鏡(PCF):3件.検討項目の結果は,(1)87%(20/23),(2)87%(20/23),(3)87%(20/23):到達したものはすべて造影・処置完遂可能,(4)4.3%(1/23):過鎮静による呼吸抑制であった.【結論】術後再建腸管においては乳頭や胆管吻合部への到達・処置完遂の難易度が高いがDBEやPCFなどの使用により対応可能な症例が増加している.QOLを考慮すると可能な限り低侵襲で早期にチューブフリーにできることが望ましい.今回の検討結果で87%と高い処置完遂率であったことを考えると,術後再建腸管であってもERCP関連手技は有用な選択肢であると考える. |
索引用語 |
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