セッション情報 ポスター

胆道2

タイトル P-380:

ダブルバルーン内視鏡下の金属ステント留置が有用であった胆道癌術後再発による輸入脚閉塞症

演者 藤井 雅邦(岡山済生会総合病院内科)
共同演者 後藤田 達洋(岡山済生会総合病院内科), 齋藤 玄哲(岡山済生会総合病院内科), 山本 久美子(岡山済生会総合病院内科), 児島 亨(岡山済生会総合病院外科), 伊藤 守(岡山済生会総合病院内科), 石山 修平(岡山済生会総合病院内科), 藤原 明子(岡山済生会総合病院内科), 仁熊 健文(岡山済生会総合病院外科), 吉岡 正雄(岡山済生会総合病院内科), 塩出 純二(岡山済生会総合病院内科), 三村 哲重(岡山済生会総合病院外科), 糸島 達也(岡山済生会総合病院内科)
抄録 胆道癌術後再発による,輸入脚閉塞症,胆管炎を来した2症例を経験した.これらの症例に対し,ダブルバルーン内視鏡(DBE)を用いた狭窄部へのメタリックステント(MS)留置術を行ったため報告する.症例1は,60歳代男性.胆管癌に対し,拡大肝右葉切除,胆管切除,Roux-en-Y再建を施行.手術後約1年で,腹膜播種再発のため化学療法を導入したが,術後2年目に,腹膜播種による輸入脚の通過障害が原因の胆管炎を発症した.DBEを用いて挿入したオーバーチューブとガイドワイヤーを介して,狭窄部にMS(WallFlex Duodenal Stent,22×60mm)を留置した.胆管炎は改善し,画像上輸入脚拡張も改善傾向を示した.化学療法を再開できたが,処置後140日目に癌性腹膜炎のため死亡した.症例2は,60歳代男性.乳頭部癌に対し,膵頭十二指腸切除術を施行.術後約10か月目に胆管炎を発症した.各種検査から再発による輸入脚の狭窄が胆管炎の原因であると診断した.DBEを施行し,症例1と同様にして,狭窄部にMS(Niti-S Stent,22×60mm)を留置した.胆管炎は改善し,処置後120日目で現在生存中である.輸入脚閉塞症は,術後腸管の輸入脚が何らかの原因で閉塞をきたして発症するまれな合併症である.原因は内ヘルニア,癒着,屈曲,捻転,絞扼が多く,癌による閉塞は少ないとされている.手術が選択されるケースが多いが,本症例のように癌の再発による輸入脚閉塞に対しては,侵襲の少ないDBEを用いたMSの留置が有用な治療法と考えられた.
索引用語