セッション情報 | ポスター胆道3 |
---|---|
タイトル | P-381:高齢者急性胆嚢炎に対する外科治療の現状 |
演者 | 福本 和彦(磐田市立病院外科) |
共同演者 | 落合 秀人(磐田市立病院外科), 鈴木 昌八(磐田市立病院外科), 嘉山 貴文(磐田市立病院外科), 村上 智洋(磐田市立病院外科), 鳥居 翔(磐田市立病院外科), 神藤 修(磐田市立病院外科), 犬塚 和徳(磐田市立病院外科), 宇野 彰晋(磐田市立病院外科), 深澤 貴子(磐田市立病院外科), 稲葉 圭介(磐田市立病院外科), 松本 圭五(磐田市立病院外科), 北村 宏(磐田市立病院外科) |
抄録 | 【目的】急性胆嚢炎の診療ガイドラインでは早期の鏡視下手術が望ましいとされるが,併存症を有する高齢者ではその対応について議論の分かれるところである.65歳以上の高齢者に発症した急性胆嚢炎の外科治療の現状について明らかにし,併存症の影響について検討する.【方法】診療録による後方視研究.2008年1月~2012年8月までの急性胆嚢炎手術例128例のうち65歳以上の76症例を対象とし,総胆管結石併存症例は除外した.年齢,性別,診療ガイドラインにおける重症度,発症日,受診日,手術日,術式,退院日,合併症等について併存症の有無(A有or B無)により2群に分けて調査した.【結果】全76症例では年齢76(65-92)歳,前期高齢者29例,後期高齢者47例.術式は開腹64例,鏡視下8例,開腹移行4例であった.A群49例:B群27例.A群のうち17例(35%)は抗凝固療法中,6例は他疾患(脳梗塞,骨折)にて他科入院中,6例は施設入所中であった.8例は術前PTGBD留置あり.併存症の内訳は高血圧14例,脳卒中(既往も含む)11例,心筋梗塞6例,高脂血症5例などの心血管系疾患32例の他,糖尿病8例,呼吸器疾患6例,悪性腫瘍3例などであった.急性胆嚢炎の重症度[軽症:中等症:重症]は[A=4:35:10]vs.[B=3:15:9].発症から受診まではA:2.8日vs. B:1.6日,手術までA:12.3日vs. B:8.8日でありA群で長い傾向にあった.術後合併症発生はA:6例vs. B:4例(肺炎,不整脈,胆汁漏,癌の併存 など)で差はないものの,術後在院日数A:18.4(4-75)日vs. B:8.9(4-23)日はA群で有意に長かった.(p=0.02)【結論】高齢者の急性胆嚢炎の外科治療では併存症の影響で発症から受診や手術までの期間が長くなる傾向があり,術後在院日数は有意に長くなる.他科との連携,早期離床など併存症のマネージメントが取り組むべき課題であると思われた. |
索引用語 |