セッション情報 ポスター

胆道3

タイトル P-386:

血管合併切除を伴う肝門部領域胆道癌手術症例の検討

演者 近藤 祐一(兵庫医科大学外科学)
共同演者 飯室 勇二(兵庫医科大学外科学), 平野 公通(兵庫医科大学外科学), 黒田 暢一(兵庫医科大学外科学), 岡田 敏弘(兵庫医科大学外科学), 麻野 泰包(兵庫医科大学外科学), 鈴村 和大(兵庫医科大学外科学), 中村 育夫(兵庫医科大学外科学), 田中 肖吾(兵庫医科大学外科学), 裵 正寛(兵庫医科大学外科学), 小坂 久(兵庫医科大学外科学), 栗本 亜美(兵庫医科大学外科学), 藤元 治朗(兵庫医科大学外科学)
抄録 【背景及び目的】肝門部領域胆道癌では,根治的切除のために肝動脈・門脈の合併切除が必要となる症例が存在する.当科における肝門部胆管癌の手術成績を報告し,3Dシミュレーションを用いた術前手術計画の有用性について具体例を提示する.【対象】2004年から2011年までに当科で施行した肝門部胆管癌症例のうち,日立メディコ社のOrgan Volume Analysis;OVAを用いて胆管3D像を含む3D統合画像を作成し,術前手術計画を立案した30例.年齢中央値64.7才,男女比17:13.【結果】施行術式は,拡大切除を含む葉切除が73.3%(22例;右葉:左葉=12:10)を占め,以下3区域切除23.3%(7例;右3区:左3区=2:5),中央2区域切除3.4%1例であった.血行再建症例は7例23.3%であり,内訳は門脈再建,動脈再建を施行した症例が各々3例,門脈動脈同時に合併切除再建した症例が1例であった.血行再建の有無で比較すると手術時間,出血量,UICC分類根治度に有意差は認めなかった.手術時間は血行再建ありで長時間(804±102分),出血量は血行再建なしで多量(1720±1538 ml)傾向を示した.R0手術は血行再建なしで56.5%を占めたが,血行再建ありではR2手術が42.9%を占めた.Stage分類は,IVa,IVb症例が70%を占め,3年生存率は29.9%であった.一方,肝動脈再建の有無では生存率に有意差は認めず,再建症例は生存率低下傾向を示した.動脈再建例では2年生存が最長であったが,門脈再建例では4例中2例が3年半以上生存し経過観察中である.【まとめ】術前シミュレーションにより複雑な胆管・脈管の解剖学的位置関係の把握が可能となり,予測胆管切離線に基づくvirtual hepatectomyを行うことが可能となる.胆管および脈管の3Dシミュレーション及び肝体積の評価による綿密な術前計画を基に,根治を目指したR0手術を行っていくべきであると考える.
索引用語