セッション情報 ポスター

粘膜下腫瘍

タイトル P-387:

当科におけるGISTの外科治療成績

演者 長濱 正吉(琉球大学消化器・腫瘍外科)
共同演者 赤松 道成(琉球大学消化器・腫瘍外科), 豊田 亮(琉球大学消化器・腫瘍外科), 金城 達也(琉球大学消化器・腫瘍外科), 狩俣 弘幸(琉球大学消化器・腫瘍外科), 野里 栄治(琉球大学消化器・腫瘍外科), 下地 英明(琉球大学消化器・腫瘍外科), 佐村 博範(琉球大学消化器・腫瘍外科), 白石 祐之(琉球大学消化器・腫瘍外科), 西巻 正(琉球大学消化器・腫瘍外科)
抄録 【はじめに】GIST(gastrointestnal stromal tumor)は比較的稀な非上皮性悪性腫瘍で治療法は外科的切除が第一選択である.今回私達はGISTの外科的切除例の臨床成績を報告する.【対象症例と検討項目】2003年1月から2012年8月までの9年8ヶ月間に当科で手術したGIST 18例(胃:12例,十二指腸:2例,空腸:4例)を対象とした.臨床病理学的所見と治療成績を検討した.【結果】年齢は16~81歳(中央値:63歳),男女比は8:10.6例は有症状(黒色便3例,腹痛2例,胸やけ1例).発見動機は他悪性疾患の定期検査と有症状による精査が6例ずつ,検診が4例,胃粘膜下腫瘍の経過観察中が2例,人間ドック時の胃透視・胃癌合併が各々1例ずつであった.術式は胃GISTでは胃部分切除が9例(2例が腹腔鏡下胃部分切除),胃全摘が2例,噴門側胃切除が1例,十二指腸GISTでは十二指腸腫瘍切除(副腎腫瘍摘出・胃腸瘻造設・気管切開・喉頭腫瘍生検)および幽門輪温存膵頭十二指腸切除が1例ずつ,小腸GISTの4例では全例小腸部分切除で内1例は肝部分切除を不可した.腫瘍単発例(15例)の腫瘍長径は2~11.5cm(中央値:5.5cm),腫瘍複数例は胃2例・小腸1例で腫瘍長径は1.5~10cm(中央値:4.5cm)であった.病理組織学的riskでは胃GIST1例(8.3%),小腸GIST2例(50%)がhigh riskで,十二指腸GIST1例(50%)がintermediate riskであった.15例で無再発生存中(2ヶ月~7年6ヶ月(中央値:2年3ヶ月)であった.観察期間中の死亡例は2例で,胃GIST1例で術後5年6ヶ月他病死(舌癌で癌死),十二指腸GISTの1例は術後1年4ヶ月で再発死亡した.切除不能同時多発肝転移巣を有する空腸GIST1例ではグリベック内服で3年間CR(PET-CT所見)となり病勢継続中である.【結語】当科で外科的治療を行った胃GIST例は再発兆候なく概ね良好な治療成績であった.十二指腸GIST例の予後は不良で,空腸GIST同時性肝転移例ではグリベック内服でCRを得ている.
索引用語