セッション情報 ポスター

粘膜下腫瘍

タイトル P-391:

当院で内視鏡治療を行った直腸カルチノイドの検討

演者 田村 潮(徳島県立中央病院消化器内科)
共同演者 青木 秀俊(徳島県立中央病院消化器内科), 河南 真吾(徳島県立中央病院消化器内科), 中村 文香(徳島県立中央病院消化器内科), 岸 久美子(徳島県立中央病院消化器内科), 林 真也(徳島県立中央病院消化器内科), 浦田 真里(徳島県立中央病院消化器内科), 北添 健一(徳島県立中央病院消化器内科), 鈴木 康博(徳島県立中央病院消化器内科), 中本 次郎(徳島県立中央病院消化器内科), 柴田 啓志(徳島県立中央病院消化器内科), 矢野 充保(徳島県立中央病院消化器内科)
抄録 【目的】大腸内視鏡検査の普及に伴って直腸カルチノイドの発見が増加し,1cm以下の病変に対しては積極的に内視鏡的切除が行われている.今回われわれは当院で内視鏡治療を行った直腸カルチノイドについて検討を行った.【方法】2007年7月から2012年7月までの5年間に,当科にて経験し,内視鏡的治療を行った直腸カルチノイド18例に対して検討を行った.平均年齢62歳,男女比9:9,局在は全例Rbであった.切除方法はEMR-L(endoscopic mucosal resection with ligating device)17例,ESD1例であった.なおEMR-Lは病変直下にボスミン加生食を局注後にニューモ・アクティベイトEVLデバイスにて病変を吸引結紮し有茎性ポリープ状とし,スネアにてOリングの直下で切除した.またESDはフラッシュナイフBT(2mm)を用いた.【結果】腫瘍径は5mm未満:4例,5-10mm:14例であり全例1cm以下であり,全例で一括切除できた.腫瘍深達度はm:1例,sm:16例,mp:1例であり,EMR-Lを行ったsmまでの17例では切除断端は全て陰性であった.mp浸潤を認めた1例では静脈侵襲を認め,他施設でのsecond opinion後,厳重な経過観察となった.10mm大のESDを行った1例では一括切除できたがburning effectのため断端の評価不能であった.切除時間はEMR-L:平均3.6分(2~6分),ESDは52分であった.また,内視鏡治療における合併症は認められなかった.【結論】当院にて内視鏡的治療を行った直腸カルチノイド18例のうち,EMR-Lを行った症例中16例で病理学的に完全切除し得た.10mm以下の直腸カルチノイドに対するEMR-Lは低侵襲かつESDのような特殊な技術を要さず簡便で非常に有用な方法であると考えられた.
索引用語