セッション情報 | ポスター粘膜下腫瘍 |
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タイトル | P-393:虫垂胚細胞カルチノイドの2例 |
演者 | 岸根 健二(東京都保健医療公社東部地域病院外科) |
共同演者 | 中谷 晃典(東京都保健医療公社東部地域病院外科), 大久保 悟志(東京都保健医療公社東部地域病院外科), 佐藤 剛(東京都保健医療公社東部地域病院外科), 柴田 英貴(東京都保健医療公社東部地域病院外科), 瀬尾 尚吾(東京都保健医療公社東部地域病院外科), 伊能 壮(東京都保健医療公社東部地域病院外科), 北島 政幸(東京都保健医療公社東部地域病院外科), 渡部 智雄(東京都保健医療公社東部地域病院外科), 落合 匠(東京都保健医療公社東部地域病院外科), 西村 和彦(東京都保健医療公社東部地域病院外科), 二川 俊二(東京都保健医療公社東部地域病院外科), 折笠 英紀(東京都保健医療公社東部地域病院検査科) |
抄録 | 症例1は80歳女性.右下腹部痛にて近医受診.抗生剤投与にて症状改善なく,精査加療目的に当科紹介受診となった.腹部CT検査所見にて右下腹部に膿瘍形成を伴う腫大した虫垂を認め,急性虫垂炎及び腹腔内膿瘍の診断で緊急手術となった.開腹所見では,虫垂は一部穿孔し周囲に膿瘍を形成していた.周囲への炎症の波及が強く回盲部切徐術を施行した.病理組織学的所見では,ケラチン,クロモグラニン,シナプトフィジン全て陽性で虫垂胚細胞カルチノイドと診断された.また,リンパ節転移および脈管侵襲を認めた.術後化学療法は本人拒否にて施行せず,現在再発所見なく安定し,外来にて経過観察中である.症例2は47歳男性.右下腹部痛にて近医受診.抗生剤内服にて治療されるも症状増悪し,精査加療目的に当科紹介受診となった.来院時の腹部CT検査所見にて膿瘍形成を伴う腫大した虫垂を認め,急性虫垂炎及び腹腔内膿瘍の診断で緊急手術を施行した.開腹所見では,虫垂周囲に炎症が強く波及していたが穿孔なく根部処理が可能であり,虫垂切徐及び腹腔ドレナージ術を施行した.病理組織学的所見では蜂窩織炎性虫垂炎の所見であり,虫垂先端には漿膜下層にまで及ぶ胞巣増生を認め,胚細胞カルチノイドと診断された.追加切除の適応と考え術後第10病日にリンパ節郭清を伴う回盲部切徐術を施行した.病理組織学的検査の結果リンパ節転移は認められなかった.現在安定しており外来で経過観察中である.虫垂カルチノイドは,欧米に比べ日本ではその頻度は低く比較的稀な疾患とされている.また,虫垂胚細胞カルチノイドは虫垂カルチノイドの亜型であり,悪性度が高く腺癌の一種とも考えられているが,頻度は低く治療・予後に関して一定の見解が得られていないのが現状である.今回我々は,虫垂胚細胞カルチノイドの2例を経験したので,若干の考察を加え報告する. |
索引用語 |