セッション情報 ポスター

胃 ESD

タイトル P-396:

ESD後にLADGを施行した早期胃癌症例の検討

演者 河口 賀彦(山梨大学医学部第一外科)
共同演者 赤池 英憲(山梨大学医学部第一外科), 芦沢 直樹(山梨大学医学部第一外科), 土屋 雅人(山梨大学医学部第一外科), 細村 直弘(山梨大学医学部第一外科), 藤井 秀樹(山梨大学医学部第一外科)
抄録 【目的】早期胃癌に対する治療として内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)が普及しているが,非治癒切除症例に対しては追加胃切除術が施行されている.そこで今回われわれは,追加治療として胃切除術,特に腹腔鏡補助下幽門側胃切除術(LADG)を施行された症例に関して検討を行った.
【対象】2009年から2012年8月までに当科で施行されたLADG症例33例のうちESD後に手術が施行された8例を検討した.
【結果】年齢は33~82歳(中央値67.5歳)で,男女比は5:3,占拠部位はM/Lが3/5,腫瘍の大きさは平均24mm(3~48mm)であった.組織型は分化型:未分化型が6:2,深達度はm:sm1:sm2が2:4:2,脈管侵襲は5例(63%)に認められた.追加切除となった理由は,深達度:脈管侵襲:分割切除が4:5:1(重複あり)であった.平均リンパ節郭清個数は20個でリンパ節転移症例は1例に認められた.この症例は,大きさ29×20mmの組織型がpor1で,深達度はsm1,ly(+),v(-)であった.リンパ節転移はNo.6に2個認められた.平均手術時間・術中出血量はそれぞれ268分,82mlで,LADG全体の平均はそれぞれ292分,105mlであった.なお,ESDからLADGまでの期間は38-87日であったが,術中所見でESDに起因したと思われる癒着などはほとんど認めなかった.また術後合併症も認めず,在院日数の平均は10日であった.短期予後ではあるが,平均観察期間509日で再発を認めていない.
【結論】ESD後の追加切除症例に対し当科では腹腔鏡手術を導入しているが,ESDによる影響はほとんどなく,有効な治療の選択肢となりうると考えられた.
索引用語