セッション情報 | ポスター胃 ESD |
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タイトル | P-397:胃癌内視鏡治療は患者のQOLを向上させ生命予後を延長させるか? |
演者 | 宮川 明祐(国保旭中央病院消化器内科) |
共同演者 | 石橋 啓如(国保旭中央病院消化器内科), 高科 亜弓(国保旭中央病院消化器内科), 岩井 優(国保旭中央病院消化器内科), 石垣 和祥(国保旭中央病院消化器内科), 阿部 宏美(国保旭中央病院消化器内科), 片桐 智子(国保旭中央病院消化器内科), 松島 知広(国保旭中央病院消化器内科), 秦 佐智雄(国保旭中央病院消化器内科), 小又 誠一(国保旭中央病院消化器内科), 窪田 学(国保旭中央病院消化器内科), 中村 朗(国保旭中央病院消化器内科), 紫村 治久(国保旭中央病院消化器内科), 糸林 詠(国保旭中央病院消化器内科), 志村 謙次(国保旭中央病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】内視鏡治療は低侵襲でQOLに優れるが,手術療法よりも患者の生命予後を延長させるという報告はまだない.今回,当院で診断された早期胃癌患者を内視鏡治療と手術療法とで比較し,内視鏡治療の有用性を検証した.【方法】対象は2007年1月から2009年12月までに当院で胃癌と診断された803例(男584,女219,70±10才)中,内視鏡群175例(72±7才)と手術療法群188例(68±9才,術後化学療法無).治癒切除率,合併症,異所性異時性再発,累積生存率について比較検討した.【結果】内視鏡群はM癌141例,SM1癌15例,SM2癌17例,MP癌2例であり,25例(14%)が非治癒切除(SM2以深癌19,分割切除7,HM+7,VM+5,ly+14,v+10,重複あり)と判定され,内17例(68%)に追加手術が施行された.合併症を4例(穿孔3,後出血1)に認めたが,全例保存的に改善した.追加手術症例(68±7才,M癌4,SM2癌11,MP癌2)では14例に遺残を認めず,3例がN因子陽性(1例がP因子陽性)で術後化学療法を要し,2例に手術関連死を認めた.手術群はM癌69例,SM癌63例,MP癌37例,SS癌1例,SE癌18例であり,リンパ節転移を10例(5%)に認めた.合併症は51例(イレウス14,膵液胆汁漏4,膿瘍7,肺炎5,吻合部狭窄7,縫合不全4,その他10)に認め,8例に追加手術を要し,1例に手術関連死を認めた.合併症は手術群で有意(P<0.001)に多く,異所性異時性再発(内視鏡7,手術0)は内視鏡群で有意に多かった(P=0.006).平均生存日数は内視鏡群1816日と手術群1865日で有意差はなく(P=0.37),追加手術例は1367日で有意に短かった(P=0.013).【考察】根治治療がなされた胃癌患者の予後は良好で,QOLに優る内視鏡治療の有用性が示された.一方で,不十分な術前診断に伴う問題点も示された.【結論】内視鏡治療は術後合併症も有意に少なく,生命予後も良好であった.今後はより精度の高い術前診断が求められる. |
索引用語 |