セッション情報 ポスター

胃 ESD

タイトル P-398:

当院で施行したESD症例における同時性異時性多発胃癌の検討

演者 芳澤 社(聖隷浜松病院消化器内科)
共同演者 佐藤 嘉彦(聖隷浜松病院消化器内科), 細田 佳佐(聖隷浜松病院消化器内科), 海野 修平(聖隷浜松病院消化器内科), 瀧浪 将貴(聖隷浜松病院消化器内科), 田村 智(聖隷浜松病院消化器内科), 小林 陽介(聖隷浜松病院消化器内科), 木全 政晴(聖隷浜松病院消化器内科), 舘野 誠(聖隷浜松病院消化器内科), 室久 剛(聖隷浜松病院消化器内科), 熊岡 浩子(聖隷浜松病院消化器内科), 清水 恵理奈(聖隷浜松病院消化器内科), 長澤 正通(聖隷浜松病院消化器内科)
抄録 【目的】近年内視鏡機器と診断の向上により早期胃癌の発見が増加し,治療に関してもESDの普及に伴い内視鏡治療で治療が完了する症例が増加している.それに伴いESD症例の中でも同時性又は異時性に多発胃癌例を少なからず認める.今回当院でESDを施行した早期胃癌症例における同時性異時性多発早期胃癌に関しての現状を検討した.多発例において,初回ESDより1年以内に複数病変を認めた症例を同時多発,1年以降に新規病変を認めた症例を異時多発と定義した.【方法と対象】2002年10月より2012年8月まで当院でESDを施行した初発早期胃癌518症例のうち初回ESD後に適応外となり開腹胃切除を行った44例をのぞく474症例を対象とし,多発胃癌に関して検討を行った.【結果】474例中,多発胃癌の頻度は53例(11.2%)でそのうち同時性は48例(10.1%),異時性は9例(1.9%)であった(4例は同時性異時性重複).男女比は男:女=42:11,平均年齢は74.3歳であった.病変数は4病変4例,3病変6例,2病変43例(異時性は合計の病変数)であった.肉眼型に関しては隆起性病変のみが13例(24.5%),陥凹性病変のみが21例(39.6%),隆起と陥凹の併存が19例(35.8%)であった.また同時性のうち,ESD施行後1年以内に別の部位に病変を認めESDを施行した症例が6例あり,初回ESD時に見落とされた影響が考えられた.【考察】内視鏡切除例における多発胃癌の頻度は諸家の報告では10%前後とする報告が多く,当院での検討でも11.2%であった.またESD直後に発見される見落とし病変と考えられる病変も少なからず経験し,常に多発胃癌を念頭に置いた内視鏡観察が重要であると考えられた.また当院では異時性再発が諸家の報告よりも低い傾向にあった.要因として内視鏡治療前後で全例H.pylori除菌を施行していることで胃癌の再発リスクを低下させている可能性が考えられた.
索引用語