セッション情報 |
ポスター
胆道 結石
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タイトル |
P-400:当院における高齢者総胆管結石の内視鏡治療の現況
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演者 |
香田 正晴(独立行政法人国立病院機構米子医療センター消化器内科) |
共同演者 |
松永 佳子(独立行政法人国立病院機構米子医療センター消化器内科), 片山 俊介(独立行政法人国立病院機構米子医療センター消化器内科), 山本 哲夫(独立行政法人国立病院機構米子医療センター消化器内科) |
抄録 |
【目的】社会の高齢化に伴い胆膵疾患症例も増加し,高齢者にERCPを行う機会が増えている.そこで当院での高齢者総胆管結石症例についてERCP実施例から検討を行った.【対象】2009年9月から2011年8月にERCPを施行した157人(男性76人,女性81人)中から総胆管結石として加療を行った72症例を64歳以下の非高齢者群,高齢者群(65~74歳:前期高齢者,75~84歳:後期高齢者,85歳以上:超高齢者)に分けて,性別,内視鏡処置,傍乳頭憩室割合,再発割合等について検討した.【結果】総胆管結石72例(男性26例,女性46例)は,非高齢者群7例(9.7%),前期高齢者群8例(11.1%),後期高齢者20例(27.8%),超高齢者37例(51.4%)で,高齢者群に多かった.内視鏡処置はEST 54/72例(75.0%)に施行され,非高齢者群7/7例(100%)で,高齢者群47/65例(72.3%)であった.切石は9/72例(12.5%)に施行され,超高齢者群6/9例(66.7%)と多く,高齢者ほど大きな結石を有している可能性があると思われた.ERBDは10/72例(13.9%)で,超高齢者群8/72例(11.1%)と多く,認知症等を考慮した処置を選択しているものと思われた.目的とする内視鏡的検査・処置が出来なかったものは7/72例(9.7%)であり,非高齢者群1/7例(14.3%),高齢者群6/65例(9.2%)と特異性は認めず,高齢であることが検査・処置中止の要因ではないと思われた.傍乳頭憩室は,高齢者群にのみ認め前期高齢者群4/8例(50.0%),後期高齢者群18/20例(90.0%),超高齢者群20/37(54.1%)といずれも高かった.再発率は非高齢者群0/7例,前期高齢者群0/8例,後期高齢者群3/20例(15%),超高齢者群6/37(16.2%)と高齢になるほど総胆管結石の再発率が高かった.また胆嚢結石と傍乳頭憩室を認める症例ほど,その頻度は有意に高かった.【結語】総胆管結石は高齢化社会を反映し,特に高齢者において増加している疾患である.発熱,腹痛,黄疸など症状を有する症例に対しては,全身状態が保たれているならば年齢に制限なく内視鏡的加療を検討すべきであると考えられた. |
索引用語 |
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