セッション情報 | ポスター胆道 結石 |
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タイトル | P-401:高齢者胆管結石に対する治療方針 |
演者 | 稲見 義宏(順天堂大学消化器内科) |
共同演者 | 崔 仁煥(順天堂大学消化器内科), 松村 裕志(順天堂大学消化器内科), 丸木 実子(順天堂大学消化器内科), 斉藤 紘昭(順天堂大学消化器内科), 伊藤 智康(順天堂大学消化器内科), 石井 重登(順天堂大学消化器内科), 金澤 亮(順天堂大学消化器内科), 小森 寛子(順天堂大学消化器内科), 渡辺 純夫(順天堂大学消化器内科) |
抄録 | 【目的】高齢者の胆管結石に対する治療方針について検討した.【方法】ERCPにて胆管結石と診断し,内視鏡治療を行った457例を対象とした.内訳は,80歳以上101例(A群),80歳未満356例(B群)であった.治療はESTまたはEPBDを行った.患者背景,治療成績,早期偶発症,長期合併症について検討を行った.【成績】患者背景では,男女比(A:B 0.7:1.7),併存疾患の保有率(62:38%),胆管炎の重症度(中等症以上38:21%),平均胆管結石径(11.5:3.7 mm)において有意差を認めた.抗血栓薬の服用率は36:20%と高齢者において有意に高率であり,68%においてヘパリン化が必要であった.完全切石率は98:97%と有意差を認めなかったが,完全切石までの治療回数はA群において有意に多い傾向にあった.早期偶発症ではEPBD施行例における膵炎(2.2:5.0%)の発生率が,A群において有意に低率であった.非胆摘例における長期合併症の検討では,胆のう炎の発症率3:9%,胆管炎・胆管結石の再発率5:10%とA群において有意に低率であった.胆摘例における胆管結石の再発率は28:4%とA群で有意に高率であった.【結論】高齢者胆管結石の内視鏡治療は,併存疾患や抗血栓薬の服用に注意すれば安全に行うことができ,非胆摘例におけるその後の胆のう炎,胆管炎・胆管結石の再発率も非高齢者に比べて低かったが,胆管炎合併例では中等症以上の症例が多く,早期の対応が必要と考えられた.高齢者の胆摘例における胆管結石の再発率は非高齢者に比べて高く,注意が必要であった. |
索引用語 |