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胆道 結石

タイトル P-402:

当院における超高齢者総胆管結石症に対する内視鏡治療の現況

演者 小川 真実(東海大学医学部消化器内科)
共同演者 川口 義明(東海大学医学部消化器内科), 中村 淳(東海大学医学部消化器内科), 丸野 敦子(東海大学医学部消化器内科), 峯 徹哉(東海大学医学部消化器内科)
抄録 【はじめに】我が国では世界最高水準の高齢化率となり,これまでの「人生65年時代」を前提とした高齢者の捉え方についての意識改革をはじめ,「人生90年時代」を前提にしたものへ転換させ,豊かな人生を享受できる超高齢社会の実現を目指す必要があるとの認識が示されている.我々は高齢者総胆管結石症例に対して胆管ステントの長期留置を併用することで安全に内視鏡治療は可能であると報告してきた.今回,85歳以上の超高齢者総胆管結石症に対する内視鏡治療の当院における現況を検討したので報告する.【対象と方法】原則として年齢に関係なく内視鏡治療を行っている方針としている,最近3年の症例を対象とし,内視鏡治療の既往があるものは除外した.この期間での総胆管結石症例は332症例で超高齢者は31症例,9.3%であった.平均年齢は88.25±2.26歳(85-92歳),男12例,女19例であった.認知症などで本人の意志で治療方針を決定できない症例が8例に認められた.また,18例に心血管系や脳梗塞の合併症を有していた.【結果】AOSCの1例のみ内視鏡治療を完遂できず,経皮的治療に移行したが,その他は内視鏡治療が可能であった.ESTを25例,EPBD2例,乳頭処置せず,胆管ステント挿入のみ行った症例が3例であり,完全切石例は22例であった.胆管ステントの長期留置とした症例は8例であった.入院期間は他病で入院していた3例を除くと最短3日,最長37日で,平均8.85±7.68日であった.入院中にせん妄が出現したのは2例で,1例は治療完遂せず早期の退院となった.偶発症は膵炎2例(6.7%),EST後出血1例(3.3%),心不全増悪が1例であった.この症例はもともと心不全にて入院し,治療中に胆管炎となり治療を行ったが,心不全増悪のために他界された.【考察】超高齢者においては心血管系の合併症を有することが多く,術後合併症の出現には十分な注意が必要ではあるものの,内視鏡治療は十分安全に施行が可能であると推察され,年齢により治療を回避する必要は無いと考えられた.
索引用語