セッション情報 | ポスター胆道 結石 |
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タイトル | P-404:当院における胃切除後総胆管結石に対する内視鏡的十二指腸乳頭切開術(EST)の工夫 |
演者 | 柏 敦文(医仁会武田総合病院消化器科) |
共同演者 | 松山 希一(医仁会武田総合病院消化器科), 滝本 見吾(医仁会武田総合病院消化器科), 藤永 陽介(医仁会武田総合病院消化器科), 島本 福太郎(医仁会武田総合病院消化器科), 玉置 大(医仁会武田総合病院消化器科), 上田 智大(医仁会武田総合病院消化器科), 山口 智裕(医仁会武田総合病院消化器科) |
抄録 | 近年,小腸内視鏡の普及やデバイスの発達により従来内視鏡治療が困難とされてきた胃切除後総胆管結石に対する内視鏡治療成績は向上しているがESTや採石に際し困難に直面する事も多い.今回当院で胆道ドレナージチューブ(ERBD)を留置した後にERBDをガイドとして利用したESTが有用であった2例を経験したので報告する.症例1)76歳男性,胃全摘Roux-Y再建.閉塞性化膿性胆管炎にて入院.Day1,PCFを用いてERCPを施行し総胆管にERBDを挿入.Day7,ERBD挿入部口側から挿入方向に沿わせてtubeをなぞる様に針状メスで乳頭を切開し胆管開放を得た.少量の出血が生じたが凝固にて容易に止血された.次いでERBDを抜去し十二指腸乳頭拡張バルーンで乳頭拡張(EPBD)し砕石鉗子と採石バルーンで採石した.残石が疑われたためDay9に再度ERCPを施行し採石を完遂した.経過中に胆管炎増悪や膵炎は生じなかった.症例2)81歳男性.胃全摘Roux-Y再建.無症候性総胆管結石の治療目的に入院.Day2,PCFを使用し乳頭に到達しEPBD施行後に採石バスケットにて採石した.術後のCTで残石を認めたためDay10に再度ERCPを施行.BillrothII用カットナイフでESTを試みたがナイフが乳頭方向を向かず奏功しなかったためERBDを挿入し針状メスでESTを施行し採石を完遂した.考察)胃切除後のERCPでは内視鏡操作が通常より困難で検査時間が長時間に及んだり,内視鏡が抜け乳頭へのアプローチが困難となることがあるが,ERBDを先に留置しておくことでESTが完遂される前に治療が中断されるような事態となっても胆管確保が可能となる.またESTの際に起立鉗子のない直視鏡下でも針状メスの操作性は比較的良好であり,ERBDの挿入方向が総胆管走行の目安となるため手技が容易かつ安全であった.結語)胃切除後結石治療に際しERBDをガイドとしたESTは手技の容易さや安全性の面から選択枝の一つとなりうる. |
索引用語 |