セッション情報 ポスター

胆道 結石

タイトル P-405:

大口径バルーン拡張後直接胆管内に内視鏡を挿入し切石し得た術後総胆管結石の2症例

演者 西田 悠(医療法人川崎病院消化器内科)
共同演者 青木 領太(医療法人川崎病院消化器内科), 竹内 庸浩(医療法人川崎病院消化器内科), 野村 祐介(医療法人川崎病院消化器内科), 前田 哲男(医療法人川崎病院消化器内科), 多田 秀敏(医療法人川崎病院消化器内科)
抄録 【緒言】近年巨大総胆管結石にEPLBD施行例は報告されている.今回,EPLBD後に直接胆管内に内視鏡を挿入し切石し得た術後総胆管結石を2症例経験したので報告する.【症例1】54歳男性.平成19年に膵癌疑いで他院で幽門輪温存膵頭十二指腸切除術(PPPD)を施行.平成22年10月に熱発・心窩部痛を主訴に受診.閉塞性胆管炎疑いで入院.WBC:11800/μL,CRP:22.5mg/dL,AST:105IU/L,ALT:103IU/L,ALP:1560IU/L,T-Bil:5.2mg/dL.画像検査にて総胆管結石あり.直視鏡(GIF-Q260)にてERCP施行し胆管空腸吻合部に到達.胆管造影すると吻合部径より大きな巨大結石が充満しており,採石は困難の為ERBDのみで終了.後日ERCP再施行.吻合部を大口径バルーン(CRE WG食道用バルーン)で12mmまで拡張.細径内視鏡(XP-260)を直接総胆管内に挿入し鉗子で機械的に完全に採石し得た.【症例2】70歳男性.十二指腸潰瘍のため幽門側胃切除術(Bil-II再建)施行.平成24年8月に熱発と心窩部痛を主訴に受診.閉塞性胆管炎疑いで入院.WBC:13900/μL,CRP:4.0mg/dL,AST:354IU/L,ALT:119IU/L,ALP:1027IU/L,T-Bil:6.7mg/dL.画像検査で総胆管結石あり.GIF-Q260にてERCP施行.乳頭を確認すると胆管十二指腸瘻を認め結石は嵌頓.胆管造影すると胆管は拡張し径25mm大の結石が充満.ERBDのみで終了.後日ERCP再施行.大口径バルーン(CRE WG胆管拡張用バルーン)で15mmまで拡張.バスケット等で採石を試みるが困難.GIF-Q260が容易に胆管内へ挿入可能であり鰐口鉗子にて結石を破砕し採石し得た.【考察】今回の2症例は大口径バルーン施行後に直接内視鏡が挿入できバルーン拡張が切石に大いに有用であった.Bil-II再建などの術後症例において内視鏡挿入が可能な胆管拡張は容易な切石の一助となり得る.大口径乳頭拡張用バルーンも2012年に発売され更なる活用が期待される.
索引用語