セッション情報 ポスター

胃・十二指腸 症例

タイトル P-408:

胃癌遅発性再発の3切除例

演者 野路 武寛(帯広厚生病院外科)
共同演者 山村 喜之(帯広厚生病院外科), 武藤 潤(帯広厚生病院外科), 黒田 晶(帯広厚生病院外科), 鯉沼 潤吉(帯広厚生病院外科), 村川 力彦(帯広厚生病院外科), 大竹 節之(帯広厚生病院外科), 大野 耕一(帯広厚生病院外科)
抄録 胃癌再発は一般的に5年以内にみとめられるとされるが,遅発性再発(切除から5年以上経過後再発)を経験することがある.1999年1月から2012年7月まで当科で根治手術を行った胃癌1020例のうち,3例に遅発性再発巣切除をおこなった.これらを報告する.症例1:69歳時に胃癌(低分化型腺癌)に対して胃全摘術を施行.術後11年,便潜血陽性にて下部消化管内視鏡検査を行われ,上行結腸腫瘍を指摘された.胃癌大腸転移と診断し,結腸右半切除を施行した.病理検査で,胃癌再発として矛盾無い所見をみとめた.腫瘍の壁内進展を認め,肛門側断端は陽性であった.再発巣切除から1年6ヶ月後原病死した.症例2:39歳時に胃体部癌(低分化型腺癌)に対して,胃全摘・膵体尾部脾合併切除施行.術後5年10ヶ月後,卵巣腫瘍を指摘され,卵巣切除施行.病理組織学的検査で,胃癌の卵巣転移(Krunkenberg腫瘍)と診断された.再発巣切除後2年5ヶ月経過後,子宮・直腸を圧排する8cm大の骨盤内腫瘤をみとめた.胃癌の孤立性ダグラス窩再発と診断し,直腸・子宮合併切除をおこない腫瘍摘出を行なった.病理検査で,胃癌再発として矛盾無い所見をみとめた.術後5ヶ月現在,5FU-MTX療法を行いながら経過観察を行っている(無再発生存中).症例3:59歳時に胃癌(低分化型腺癌)に対して.胃全摘・膵体尾部脾合併切除施行.術後9年,腹痛・水様便をみとめ受診した.下行結腸に腫瘍をみとめ,大腸癌による腸閉塞と診断された.開腹所見では,術前検索出来ていなかった横行結腸にも硬結を触れ2重癌の存在を疑った.このため大腸癌に準じたリンパ節郭清を伴う横行結腸・下行結腸切除を施行した.病理検査では術前に指摘した下行結腸の8.5cm×7cm大の腫瘍,術中に指摘した横行結腸に1cm大の腫瘍を認めた他,広範な腫瘍の壁内進展と多数のリンパ節転移をみとめた,組織型は既切除の胃癌と相同の所見であった.術後補助化学療法を患者の希望で行わず,術後5ヶ月現在経過観察中である(無再発生存中).
索引用語