セッション情報 ポスター

胃癌

タイトル P-419:

弓隆部の多発白色扁平隆起(MWFC)の経過についての検討

演者 丸山 保彦(藤枝市立総合病院消化器科)
共同演者 景岡 正信(藤枝市立総合病院消化器科), 大畠 昭彦(藤枝市立総合病院消化器科), 森 雅史(藤枝市立総合病院消化器科), 志村 輝幸(藤枝市立総合病院消化器科), 宇於崎 宏城(藤枝市立総合病院消化器科)
抄録 【目的】弓隆部に多発する白色扁平隆Multiple, White, and Flat elevated lesions located in the gastric Cardia(MWFC)はPPIやH2ブロッカーを内服している人にしばしば見られ,PPI内服者ではMWFC保有者の血清ガストリン値がMWFC非保有者に比べ有意に高く,MWFCの約3割にH.pylori感染を伴っている事を鎌田,春間らとともに報告してきた.本病変の病的意義や経過は,まだ明らかとなっていない.今回本病変の経時的変化が除菌の有無により異なるかをretrospectiveに検討した.【方法と対象】当院において2009~2012年8月にMWFCが発見された症例のうち,その前後で1年以上の経過を追えた25例(男性15名,女性10名)を対象とした.HP除菌の既往の有無に分け,MWFLの変化を増加(顕在化を含む),減少,変化なしに分類し検討した.合わせて薬剤内服状況,血清ガストリン値も比較した.【成績】除菌群は11例,非除菌群は14例で,全対象症例の平均年齢は66.3±11.4歳,平均観察期間は2.9±2.3年で,両群間に有意差はなかった.除菌群では増加(顕性化)が6例,変化なしが5例で減少したものはなかった.非除菌群では13例が変化なし,減少が1例であり,減少例ではPPIからH2RAに切り替えた後に減少していた.除菌群のガストリン値は67.6±18.2 pg/mLで非除菌群の129.7±46.4 pg/mLより有意に低値であった.除菌群ではPPI内服歴が4例,H2RA内服歴が2例に,非除菌群ではPPI継続中が10例,H2RA内服歴が1例だった.【結論】非除菌群ではMWFCはほとんど変化することはないのに対して,除菌群では顕在化してくる症例が多い傾向がみられた.
索引用語