セッション情報 ポスター

胃・十二指腸 H. pylori

タイトル P-427:

H.pylori除菌専門外来におけるesomeprazoleの治療成績

演者 安田 貢(香川県立がん検診センター消化器科)
共同演者 山ノ井 昭(香川県立がん検診センター消化器科), 前田 剛(KKR高松病院内科), 曽我部 正弘(香川県立がん検診センター消化器科), 大塩 敦郎(香川県立がん検診センター消化器科)
抄録 【目的】当センターでは平成21年4月より保険非適応の受診者を対象にH.pylori(Hp)診断と治療を目的とした専門外来(ピロリ外来)を実施している.除菌治療に重要な役割を果たすPPIとしては昨年よりesomeprazole(EPZ)を用いており,今回我々はその治療成績を検討したので報告したい.【対象と方法】対象受診者は,平成21年4月1日から平成24年3月31日までにピロリ外来を受診した1,178名である.検討項目は受診者の除菌治療率,除菌成功率,副作用発現率等である.EPZを用いた50症例とそれ以外のPPIを用いた症例で比較した.Hp感染診断と治療・判定方法はガイドラインに準拠したが,抗菌剤の種類については他の薬剤の服用歴やアレルギーの有無から若干の変更を加えた.また,治療に際してはそのメリットとデメリットを十分に説明して同意を得るようにした.【成績】ピロリ外来の受診者は男性522名,女性656名であり,除菌治療は913名(96.3%)に実施された(888名が1次除菌から開始,25例が紹介などにより2次除菌以降より開始).全体の1次除菌成功率は未判定者を除くと830名中688名で82.9%,2次成功率は同様に119名中115例の96.6%,3次成功率は16名中13名の81.3%,4次成功率は3名全員成功で100%であった.全体の最終除菌成功率は98.1%であった.EPZによる1次除菌成功率は,EPZ+AMPC+CAMが93.1%,EPZ+AMPC+MNZが100%で計95.3%,他のPPIでは各々79.3%,94.4%で計82.3%であった(p<0.05).EPZによる2次除菌は100%成功していた.全体の副作用発現率は14.3%(下痢・軟便7.7%,皮疹3.8%,味覚異常0.7%)であり,PPIの種類で差は認めなかった.【結語】1次除菌におけるesomeprazoleを用いた成績はこれまでのPPIより優れており,有用な薬剤であると考えられた.今後さらに症例を蓄積して検討したい.
索引用語