セッション情報 | ポスター胃・十二指腸 H. pylori |
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タイトル | P-428:当院におけるHelicobacter pylori除菌療法の現状―ガイドライン改定を目前にした課題も含めて― |
演者 | 上田 裕之(広島市立安佐市民病院消化器内科) |
共同演者 | 永田 信二(広島市立安佐市民病院内視鏡内科), 齋藤 裕平(広島市立安佐市民病院消化器内科), 平野 大樹(広島市立安佐市民病院消化器内科), 鳩岡 正浩(広島市立安佐市民病院消化器内科), 宮木 英輔(広島市立安佐市民病院消化器内科), 田丸 弓弦(広島市立安佐市民病院消化器内科), 高田 俊介(広島市立安佐市民病院内視鏡内科), 脇 浩司(広島市立安佐市民病院消化器内科), 桑原 健一(広島市立安佐市民病院消化器内科), 木村 茂(広島市立安佐市民病院消化器内科), 辻 恵二(広島市立安佐市民病院消化器内科) |
抄録 | 【目的】日本ヘリコバクター学会のガイドライン改定に伴い,慢性胃炎がHelicobacter pylori(H. pylori)除菌療法が保険適応になると噂される中,当院におけるH. pylori除菌療法の現状と外来検査状況を把握し,今後の課題を検討する.【対象と方法】対象は2012年3月までの1年間にH. pylori除菌療法を施行した118症例(平均年齢:56.7歳,男性75例/女性43例)で,一次・二次除菌別の除菌成功率と原疾患別に検討した.また,内科における消化器内科の外来患者の割合と上部消化管内視鏡検査における慢性胃炎の比率も検討した.【結果】原疾患は,GU・GUS59例,DU・DUS22例,胃癌ESD後16例,ITP16例,胃MALTリンパ腫5例で,H. pylori除菌成功率76.3%,不成功率13.6%,不明10.1%であった.一次除菌の成功76.6%,不成功率は12.6%,不明10.8%,二次除菌の成功率71.4%,不成功率28.6%で,除菌判定可能であった106症例を成功群90症例,不成功群16症例に分け,原疾患別に検討すると,GU・GUS:成功群98.1%,不成功群1.9%,DU・DUS:成功群78.9%,不成功群21.1%,胃癌ESD後:成功群75%,不成功群25%,ITP:成功群53.3%,不成功群46.7%,胃MALTリンパ腫:成功群100%と依然として消化器疾患では除菌療法は有効な治療法と考えられた.しかし,内科外来における消化器内科患者の割合は32.1%と内科の中で一番多く,また,上部消化管内視鏡検査中,内視鏡的に判断し得た慢性胃炎の比率は35%であり,更なる外来負担増が今後の課題と思われた.【結語】慢性胃炎に対する除菌療法が,保険適応になると様々な弊害が予測される中,我々が行っている工夫としては,地域かかりつけ医との強い連携をはかりながら,広島安佐地区胃がんESD/EMR治療連携クリニカルパスを現在運用している.今後慢性胃炎に対するH. pylori除菌療法も地域かかりつけ医と連携し治療していくことも考慮中である. |
索引用語 |