セッション情報 ポスター

胃・十二指腸 H. pylori

タイトル P-431:

Helicobacter pylori除菌が循環血漿中のアディポネクチンに与える影響の検討(第3報)

演者 安藤 貴志(社会保険京都病院消化器科)
共同演者 光本 保英(社会保険京都病院消化器科), 今本 栄子(社会保険京都病院消化器科), 岸本 悦子(社会保険京都病院消化器科), 岡嶋 亮(社会保険京都病院消化器科), 鈴木 俊生(社会保険京都病院消化器科), 赤田 渉(社会保険京都病院放射線科), 水島 かつら(京都府立医科大学消化器内科), 内山 和彦(京都府立医科大学消化器内科), 石川 剛(京都府立医科大学消化器内科), 高木 智久(京都府立医科大学消化器内科), 半田 修(京都府立医科大学消化器内科), 八木 信明(京都府立医科大学消化器内科), 古倉 聡(京都府立医科大学消化器内科), 内藤 裕二(京都府立医科大学消化器内科), 吉川 敏一(京都府立医科大学消化器内科), 水野 成人(神戸薬科大学医療薬学研究室), 浅川 明弘(鹿児島大学社会・行動医学教室), 乾 明夫(鹿児島大学社会・行動医学教室)
抄録 【目的】Helicobacter pylori(Hp)が血漿中のアディポネクチン(Ad)に与える影響とその機序について検討することである.【方法】1)Hp陽性の338人とHp陰性の118人の間で循環血漿中のTotal Adとhigh molecular weight Ad(HMW-Ad),middle MW Ad,low MW Adの各分画について比較した.またHp陽性者338人に対し除菌療法を施行し241人が成功したが,除菌前と3か月後のAdを比較した.さらにHp陰性健常ボランティア11名にHp除菌薬を服用させ,その前後でAdを比較した.【結果】Hp陽性者と陰性者の比較では,Total Adと全ての分画で有意な差はなかった.除菌成功群においてTotal Adとすべての分画で有意な増加を認めた.除菌失敗群においてはTotal AdとHMW-Aのみが除菌後で増加した.Hp陰性健常ボランティア群では,除菌薬服用前後でTotal Adおよび全ての分画で有意な変化は認めなかった.【考案】Hp除菌失敗群でもTotal AdおよびHMW-Adの増加が認められ,除菌に伴うAd増加の機序で腸内細菌叢の影響が疑われたが,Hp陰性者除菌薬服用前後Adに変化を認めないことから,除菌に伴うAd増加は除菌自体による影響と考えた.失敗群でのAdの増加はHp制菌効果の影響と考えた.今後長期の経過観察が必要と考えた.【結語】Hp除菌は循環血漿中のアディポネクチンを増加させるが,その機序は除菌自体による影響が大きいものと考えられた.
索引用語