セッション情報 ポスター

胃・十二指腸 H. pylori

タイトル P-432:

特発性血小板減少性紫斑病に対するヘリコバクター・ピロリ除菌療法の長期経過について

演者 佐藤 雄紀(総合病院岡山市立市民病院内科)
共同演者 西村 守(総合病院岡山市立市民病院内科), 牧田 雅典(総合病院岡山市立市民病院内科), 山本 和彦(総合病院岡山市立市民病院内科), 難波 次郎(総合病院岡山市立市民病院内科), 今城 健二(総合病院岡山市立市民病院内科)
抄録 【目的】2010年にピロリ菌陽性の特発性血小板減少性紫斑病(ITP)に対する除菌療法が保険適応となりピロリ菌陽性ITPに対して除菌療法を行う事が推奨されるようになった.今回,ピロリ除菌療法後の血小板数の変化について検討した.【方法】当院にて経験したピロリ菌陽性ITP症例に対し除菌療法を行い血小板数が増加した奏効例12例について,その後の血小板数の変化や長期経過など臨床的特徴について検討した.【結果】年齢は53~90歳で平均年齢は72歳であり男性5例女性7例であった.全例中8例に副腎皮質ステロイドホルモンの前治療歴があった.これらのうち6例が除菌療法後1年以内にステロイド漸減中止となり2例はステロイド少量投与を継続していた.その他の4症例では前治療歴はなかった.除菌療法開始から数日後に測定しえた8例中7例で血小板数の軽度増加を認めた.2週後には全例中5例,4週後には9例で血小板数が10万/μl以上に増加した.血小板の反応日数は様々で10日後に血小板数が10万/μl以上となる例がある一方で,6ヶ月後にようやく10万/μl以上となる例もあった.血小板の増加数値は2.55倍から16.1倍と様々であった.3年以上観察しえた6例では増加した血小板数はその後も増減はするものの追加治療を必要としないレベルを保っていた.【結論】除菌療法奏効例では,数日後にすでに血小板数の増加を認める例が多く除菌療法の効果を早期に判断する参考になると思われる.また除菌前の血小板数は除菌療法後の血小板の反応日数や増加数値には関係がなかった.さらに増加した血小板数はその後も増減はするものの長期間無治療で経過観察が可能となる例が多かった.
索引用語