セッション情報 ポスター

胃・十二指腸 潰瘍・出血

タイトル P-434:

胃ESD後人工潰瘍におけるエソメプラゾール+レバミピド併用治療の臨床検討~オメプラゾール+レバミピド併用治療との比較検討

演者 文野 真樹(済生会和歌山病院消化器内科)
共同演者 川口 雅功(済生会和歌山病院消化器内科), 山原 邦浩(済生会和歌山病院消化器内科), 合田 杏佑(済生会和歌山病院消化器内科)
抄録 【目的】エソメプラゾール(Eso)はオメプラゾール(Opz)の光学異性体として新規に国内に導入されたPPIであり,胃ESD後の人工潰瘍における有用性を検討した報告はない.今回,ESD後の人工潰瘍におけるEsoおよび粘膜防御剤であるレバミピド(R)との併用治療効果について従来のPPIであるOpz+R併用治療との比較検討をretrospectiveに行った.【対象と方法】対象は2007年9月から2012年8月までに,胃腫瘍に対してESDを施行した153例中,他のPPI使用例,透析患者,肝硬変患者,術中穿孔例等を除いた78例.これらをEso+R併用群(E群)とOpz+R併用群(O群)の2群に分類した.酸分泌抑制薬の投与法は,両群ともESD当日および翌日はOpzを経静脈投与を行い,術後2日目から,Rとともに経口投与した.フォローアップの内視鏡を術後1日目,7日目,4~6週目に行い潰瘍の治癒をSakita-Fukutomi classificationをもとに評価した.両群間において,患者背景,治療成績,術後出血の頻度を比較検討した.【結果】E群は29例,O群は49例であった.年齢でE群が有意に高く,女性が多い傾向を示した以外に患者背景に有意差を認めず,病変部位,病変サイズ,切除標本サイズ,一括切除率に有意差を認めなかった.治療時間についてE群は38分,O群は64分とE群で有意に短い傾向にあった(p<0.05).後出血率についてE群は1例3.4%,O群は0例0%と有意差は認めなかった.術後7日目および4~6週目における潰瘍治癒についてはH stageおよびS stageへの移行率に有意差を認めなかった.【結論】ESD後の人工潰瘍の出血予防効果および潰瘍治癒効果に関して,retrospectiveではあるがEso+R併用は,Opz+R併用と比較して同等の効果を示した.
索引用語