セッション情報 ポスター

胃・十二指腸 潰瘍・出血

タイトル P-436:

胃ESD後の潰瘍治癒に対するPPI併用薬としてのsucralfateとrebamipideの効果の比較

演者 渡邉 由佳(箕面市立病院消化器内科)
共同演者 西原 彰浩(箕面市立病院消化器内科), 平野 美樹(箕面市立病院消化器内科), 谷 奈緒子(箕面市立病院消化器内科), 山崎 正美(箕面市立病院消化器内科), 山北 剛史(箕面市立病院消化器内科), 由良 守(箕面市立病院消化器内科), 高石 健司(箕面市立病院消化器内科), 田村 信司(箕面市立病院消化器内科)
抄録 【目的】今回我々はESD後の潰瘍に対してPPI+sucralfateを投与された群(S群)とPPI+rebamipideを投与された群(R群)においてその潰瘍治癒に相違があったかを後方視的に検討した.【方法】2008年4月から2012年5月までに施行された胃腫瘍に対するESD症例159例(前期のS群82例,後期のR群77例)の術後1ヶ月目と術後3ヶ月目の潰瘍治癒の状態を榊分類(Sa:粗大再生粘膜模様の中心部分に無構造な陥凹部が存在している状態 Sb:中心まで粗大再生粘膜模様で覆われた状態 Sc:周囲と同様の細かな模様像を示す状態)に基づき分類した.なお,両群ともESD後退院までの6日間はPPIとsucralfateを併用し,退院時よりR群はrebamipide併用に切り替えた.また退院後の服薬日数は原則として30日で終了とした.【結果】1ヶ月後および3ヶ月後の評価が可能であったのはそれぞれS群で68例および45例,R群で70例および50例であった.平均年齢はS群72歳(57~92),R群73.4歳(51~88)で,切除粘膜の長径の平均はS群44.8mm(22~105),R群38.3mm(18~135)とS群がやや術後の欠損粘膜が大きい傾向にあった.NSAIDsおよび低用量アスピリンなどの潰瘍治癒に影響を与える可能性のある薬剤の使用者はS群11例,R群15例であった.1ヵ月後の評価ではS群はSa:48例(70.6%),Sb:17例(25.0%),潰瘍残存:3例(4.4%),R群はSa:61例(87.1%),Sb:8例(11.4%),潰瘍残存:1例(1.4%)であり,S群に治癒傾向が強かった.3ヵ月後の評価ではS群にSaはなく,Sb:35例(77.8%),Sc:9例(20.0%),潰瘍再発:1例(2.2%),R群はSa:2例(4.0%),Sb:20例(40.0%),Sc:27例(54.0%),潰瘍再発:1例(2.0%)であり,逆にR群に治癒傾向が強かった.【結論】胃腫瘍に対するESD後の潰瘍治癒はS群,R群共に良好であった.1ヵ月後ではS群に治癒傾向が強かったものの,3ヵ月後ではR群が逆転する傾向にあった.
索引用語