セッション情報 ポスター

門脈圧亢進症

タイトル P-442:

胃静脈瘤に対する内視鏡治療成績

演者 西 隆之(東海大学大磯病院外科)
共同演者 島田 英雄(東海大学大磯病院外科), 渡久山 元里(東海大学大磯病院外科), 福光 寛(東海大学大磯病院外科), 藤平 威明(東海大学大磯病院外科), 新田 美穂(東海大学大磯病院外科), 町田 隆志(東海大学大磯病院外科), 千野 修(東海大学病院消化器外科), 三朝 博仁(東海大学病院消化器外科), 田島 隆行(東海大学病院消化器外科), 山本 壮一郎(東海大学病院消化器外科), 武智 晶彦(東海大学病院消化器外科), 伊東 英輔(東海大学病院消化器外科), 葉梨 智子(東海大学病院消化器外科), 數野 暁人(東海大学病院消化器外科), 林 勉(東海大学病院消化器外科), 宇田 周二(東海大学病院消化器外科), 小澤 壮治(東海大学病院消化器外科), 安田 聖栄(東海大学病院消化器外科), 幕内 博康(東海大学)
抄録 【目的】胃静脈瘤は巨大となるものも多く,一度出血すれば多量出血となり,生命をおびやかすものとなることも少なくない.治療法は,内視鏡的硬化療法や静脈瘤結紮術に関して,必ずしも一定の術式が確立してはいない.われわれは,1990年から胃静脈瘤の内視鏡的治療を手がけており,現時点では手技の確立と良好な治療成績を得るに至っている.
今回,今まで施行した胃静脈瘤に対する内視鏡治療を臨床的に検討し,その手技を呈示すると共に,施行症例の予後(成績)についても集計し,報告する.
【方法】当科で扱った胃静脈瘤101例のうち内視鏡治療を施行した69例を対象とした.
【結果】男性46例,女性21例,30歳~85歳,平均60.0歳.肝機能Child-Pough A 44例,B 13例,C 18例.経過観察期間は1~90ヶ月であった.EISは延べ213回,一人当たり平均3.2回施行した.使用薬剤はエタノール,エトキシスクレロールのほか,ヒストアクリルを45回使用していた.緊急出血例の全例が,シアノアクリレートを用いた1回の硬化療法で止血に成功した.再出血は1例(6%)に認め,胃粘膜のびらん部から湧出性に出血し,2週後肝不全で死亡した.その他の死亡例は3例(19%)で,その原因は肝不全2例,肝癌1例であった.緊急止血後の追加治療である待機例では再出血を3例(2.4%)に認めたが,死亡例はなかった.
【結論】胃静脈瘤は食道静脈瘤と異なり血流が早く,血流量の多いものが多く,また血流を停滞させることができないために治療は難しいが,ヒストアクリルを静脈瘤内に注入して硬化させ,エタノール,エトキシスクレロールを粘膜下注入して再発を防止する.胃静脈瘤に対しては,シアノアクリレートを用いた内視鏡的硬化療法が有用で,その治療成績は良好であった.
索引用語