セッション情報 | ポスター門脈圧亢進症 |
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タイトル | P-443:膵頭十二指腸切除術後の門脈狭窄に起因する拳上空腸静脈瘤出血に対して門脈ステント治療が有効であった2例 |
演者 | 末永 雅也(名古屋大学消化器外科学) |
共同演者 | 藤井 努(名古屋大学消化器外科学), 奥村 徳夫(名古屋大学消化器外科学), 神田 光郎(名古屋大学消化器外科学), 小林 大介(名古屋大学消化器外科学), 田中 千恵(名古屋大学消化器外科学), 山田 豪(名古屋大学消化器外科学), 中山 吾郎(名古屋大学消化器外科学), 杉本 博行(名古屋大学消化器外科学), 小池 聖彦(名古屋大学消化器外科学), 野本 周嗣(名古屋大学消化器外科学), 藤原 道隆(名古屋大学消化器外科学), 竹田 伸(名古屋大学消化器外科学), 小寺 泰弘(名古屋大学消化器外科学) |
抄録 | 【はじめに】膵頭十二指腸切除術(PD)後には門脈狭窄を来すことがあり,ショックや肝不全,門脈圧亢進による様々な症状が発生しうる.PD後の緩徐に発症する門脈狭窄では肝十二指腸間膜の郭清後のため求肝性の側副血行路が拳上空腸に発達する.今回我々はPD後に門脈狭窄に起因する拳上空腸静脈瘤出血を発症し経皮経肝門脈ステント留置術が有効であった2例を経験したので報告する.【症例1】54歳,女性.下部胆管癌の診断で門脈合併切除と術中放射線照射を伴うPDを施行した.術後16か月で下血を主訴に受診,受診時はHb 5.6 g/dLと貧血を認めた.消化管精査にて拳上空腸粘膜に発赤を認め,血管造影にて門脈吻合部の狭窄を認めた.門脈狭窄に起因する拳上空腸静脈瘤出血を疑い,経皮経肝門脈造影を施行.拳上空腸部に血管拡張と造影剤漏出像を認めたため同部の出血と診断し,門脈圧亢進の解除のため狭窄部にexpandable metallic stent(EMS)を留置した.留置後は再出血を認めていない.【症例2】72歳,女性.膵頭部癌の診断で門脈合併切除と術中放射線照射を伴うPDを施行した.術後6か月で下血を主訴に受診し,受診時Hb 5.2 g/dLであった.上部消化管内視鏡にて拳上空腸に出血の痕跡を認め,造影CTにて門脈狭窄と拳上空腸部の著明な静脈拡張像を認めた.同部からの出血と診断し,経皮経肝的に門脈狭窄部にEMSを留置した.留置後は再出血を認めていない.【考察】拳上空腸静脈瘤出血の報告はまれであるが,PD術後の消化管出血では念頭におく必要があると考えられた.治療としては,経回腸静脈静脈瘤塞栓術や上腸間膜静脈分枝-下大静脈バイパス術などの報告もあるが,経皮経肝門脈ステント留置術は侵襲も少なく有効な手法であると考えられた. |
索引用語 |