セッション情報 | ポスター門脈圧亢進症 |
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タイトル | P-444:静脈瘤の拡大・進行を認めず,いわゆる瘤の形態を示さなかった胃静脈瘤出血3例の検討 |
演者 | 小嶋 清一郎(東海大学八王子病院消化器内科) |
共同演者 | 伊藤 裕幸(東海大学八王子病院消化器内科), 高清水 眞二(東海大学八王子病院消化器内科), 市川 仁志(東海大学八王子病院消化器内科), 永田 順子(東海大学八王子病院消化器内科), 矢崎 利典(東海大学八王子病院消化器内科), 水上 創(東海大学八王子病院消化器内科), 白井 孝之(東海大学八王子病院消化器内科), 渡辺 勲史(東海大学八王子病院消化器内科), 荒瀬 吉孝(東海大学医学部消化器内科学), 加川 建弘(東海大学医学部消化器内科学), 白石 光一(東海大学医学部消化器内科学), 峯 徹哉(東海大学医学部消化器内科学), 幕内 博康(東海大学八王子病院消化器外科) |
抄録 | 【背景】胃静脈瘤出血は出血量が多くときに治療に難渋することがある.胃静脈瘤の出血因子は,RC sign陽性,Lg上にびらん・潰瘍を認めるものの他に,短期間に増大傾向にあるもの,大きなLgで緊満したもの,食道静脈瘤治療後にLgが残存または新生した場合とされている.われわれは過去9年間に治療した胃静脈瘤出血54例中に,静脈瘤の拡大・進行を認めず,いわゆる瘤の形態を示さなかった胃静脈瘤出血を3例経験したので,その特徴や治療法について報告する.【症例1】66歳男性,緊急例.アルコール性肝硬変Child-Pugh B.飲酒量は日本酒5合相当を46年間.1年前にLg-fF2CwRC0Eに対してEISの施行歴あり.大量吐血をきたし他院にてSB tubeを挿入されて搬送.Hb 12.3,Plt 4.9,PT% 50.Lg-cF0 gushing bleeding.ニトロール併用下にピトレシンを投与して出血の勢いを低下させ,ヒストアクリルにてEISを施行し止血に成功した.輸血量は最終でRCC 20Uに達した.【症例2】41歳男性,緊急例.アルコール性肝硬変Child-Pugh C.大量飲酒後吐血.過去に治療歴なし.Hb 8.3,Plt 9.7,PT% 48, T.bil 5.5.Lg-cF0 red plug.AS24ml,EVL3コにてEIS+EVLを施行.28日後に再出血してEIS施行.【症例3】55歳男性,緊急例.C型およびアルコール性肝硬変Child-Pugh C.飲酒後大量吐血.過去に食道静脈瘤の治療歴あり.Hb 3.9,Plt 12.0,PT% 48, NH3 435,T.bil 0.9.Lg-cF0 white plug.AS5ml,NBCA2VにてEISを施行.538日無再発生存.【結語】いわゆる瘤の形態を示さなかった胃静脈瘤出血を3例経験した.いずれもアルコール性肝硬変で出血時まで大量飲酒を続けており,飲酒による胃粘膜障害と急激な門脈圧上昇が出血の引き金になったものと考えられた. |
索引用語 |