セッション情報 ポスター

門脈圧亢進症

タイトル P-445:

十二指腸静脈瘤に対してB-RTOが有効であった2例の検討

演者 飯沼 瑞惠(横浜労災病院消化器内科)
共同演者 小宮 靖彦(横浜労災病院消化器内科), 稲生 優海(横浜労災病院消化器内科), 河島 圭吾(横浜労災病院消化器内科), 内藤 舞(横浜労災病院消化器内科), 藤田 祐司(横浜労災病院消化器内科), 江塚 明子(横浜労災病院消化器内科), 金沢 憲由(横浜労災病院消化器内科), 内山 詩織(横浜労災病院消化器内科), 谷 理恵(横浜労災病院消化器内科), 川名 憲一(横浜労災病院消化器内科), 大谷 節哉(横浜労災病院消化器内科), 永瀬 肇(横浜労災病院消化器内科)
抄録 【緒言】静脈瘤破裂は致死的な上部消化管出血の原因の1つであるが,ほとんどが食道胃静脈瘤で,十二指腸静脈瘤の頻度は低い.そのため十二指腸静脈瘤に対する治療法は確立されていない.今回我々は十二指腸静脈瘤2例に対して,バルーン下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)を施行し良好な経過を得ることができたため報告する.【症例1】62歳男性.C型肝硬変で通院中であった.定期的な上部消化管内視鏡検査にて十二指腸下行部にF2の静脈瘤を認められ治療適応と判断.右大腿静脈よりアプローチし,右精巣静脈流入部をバルーンで閉塞し十二指腸静脈瘤内に5%EOを約7ml注入.翌日腹痛・腹部膨満感が出現し,CTにて胃拡張が認められた.B-RTO後に十二指腸が浮腫性変化をおこし,通過障害の状態と判断.胃管挿入し持続吸引すると腹部症状は改善した.B-RTO施行1週間後に効果判定のために造影CT施行したところ,十二指腸静脈瘤への側副血行路に塞栓効果が認められた.【症例2】47歳男性.アルコール性肝硬変で通院中であった.上部消化管内視鏡検査にて十二指腸下行部にF2の静脈瘤を認められ治療適応と判断.右内頚静脈よりアプローチし,右精索静脈をバルーンで閉塞し十二指腸静脈瘤内に5%EOを約20ml注入するも,瘤内への停滞が不良であった.翌日5%EOを約3ml追加し,バルーンカテーテルを抜去.処置後,腹痛見られたが対症療法にて軽快した.B-RTO施行1週間後に効果判定のために造影CT施行したところ,十二指腸静脈瘤は造影効果が見られず,塞栓効果が認められた.【考察】肝硬変や肝外門脈塞栓症など門脈圧亢進症により出現する十二指腸静脈瘤は食道胃静脈瘤に比べて頻度は低く,稀な疾患でありその治療方針は未だ確立されていない.今回われわれは肝硬変患者に合併した十二指腸静脈瘤に対してB-RTOを施行し,良好な経過が得られている2例を経験したため文献的考察を加えて報告する.
索引用語