セッション情報 ポスター

胃癌 化学療法1

タイトル P-449:

進行胃癌に対する全身化学療法の治療成績

演者 古川 政統(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科)
共同演者 守屋 圭(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 美登路 昭(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 吉田 太之(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 沢井 正佳(奈良県立医科大学中央内視鏡超音波部), 上嶋 昌和(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 堂原 彰敏(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 相原 洋祐(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 高谷 広章(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 瓦谷 英人(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 浪崎 正(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 森岡 千惠(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 野口 隆一(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 豊原 眞久(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 藤本 正男(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 吉治 仁志(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科), 山尾 純一(奈良県立医科大学中央内視鏡超音波部), 福井 博(奈良県立医科大学消化器・内分泌代謝内科)
抄録 【目的】本邦ではS-1+CDDP併用療法が耐術不能例や手術困難な遠隔転移例に対する進行胃癌に対するFirst lineの全身化学療法とされているが,高齢者やPS不良症例ではS-1単剤療法に対する優位性は明らかではない.我々はこれらの観点を踏まえて進行胃癌に対する全身化学療法の成績を後方視的に検討した.【対象と方法】2007年1月から2012年2月までに当科で診断・治療された切除不能進行胃癌28例を対象とし,まずS-1単剤群(S群)とS-1+CDDP群(SP群)に分類して比較検討した.また,Second line全体の治療成績に関しても検討した.【成績】S群とSP群で性別,年齢中央値,病期分類,組織型,PSにいずれも有意差を認めなかったが,PS3の3例はS群に含まれていた.S群,SP群の奏効率は30%/50%で,病態制御率は70%/78%である一方,無増悪生存期間(PFS)は225日/153日,生存期間中央値(MST)は302日/210日であり,SP群の優位性は認めなかった.ただし,腎機能とPSがともに良好なSP群ではPFS 274日,MST 432日で,これらの少なくとも片方が不良なSP群のPFS 109日,MST 195日と比較して顕著に延長していた.次に,Second lineの治療は50%(14例)の症例に,Taxine系(7例)あるいはCPT-11(7例)を軸に行われていた.Second lineのPFSは132日(Taxine 115日,CPT-11 170日)であり,MSTは341日(Taxine 210日,CPT-11 436日)であった.【結語】今回の検討において,PS,腎機能ともに良好なSP群では平均的な生存期間であったが,少なくとも片方が不良な例ではCDDP投与による明らかな生存期間延長は認められず,各症例に応じた治療法の選択が望ましいと考えられた.また,Second lineにおけるCPT-11は,比較的良好なPFS,MSTを示しており,その有効性を充分に期待しうる治療法と考えられた.
索引用語