セッション情報 | ポスター胃癌 化学療法1 |
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タイトル | P-451:一次治療から見た当科における胃癌化学療法患者の治療成績について―手術転換例を中心に― |
演者 | 藤島 佳未(神戸大学消化器内科) |
共同演者 | 奥野 達哉(神戸大学消化器内科), 坂井 文(神戸大学消化器内科), 池田 篤紀(神戸大学消化器内科), 鈴木 知志(神戸大学食道胃腸外科), 田中 賢一(神戸大学食道胃腸外科), 田村 孝雄(近畿大学奈良病院腫瘍内科), 掛地 吉弘(神戸大学食道胃腸外科), 東 健(神戸大学消化器内科) |
抄録 | 【目的】最近,切除不能大腸癌において化学療法後に切除可能となれば手術を行い,治癒が期待できる治療戦略が確立しつつあるが,進行胃癌化学療法症例での手術転換の意義は不詳である.今回,当初進行・再発切除不能と診断され当科で化学療法を導入した胃癌患者の治療成績を一次治療の面から検討し,その中で化学療法が著効し手術転換を行い得た症例を検索した.【方法】2000年6月~2010年11月まで,外科切除非適応と診断され,当科で化学療法を開始した進行胃癌患者のうち,予後評価可能だった108症例を対象とし,対象期間での治療成績を後方視的に検討した.【成績】全108症例の男女比は76/32例,年齢中央値は63歳,進行/術後再発83/25例であった.1次治療開始時からの生存期間中央値(MST)は342日で,1年生存率44.1%,2年生存率14.3%,3年以上の生存例を6例(5.5%)に認めた.S-1±α治療群に限ると,S-1単独群/S-1併用群(S-1+CDDP,S-1+DOC,S-1+CPT-11)24/30例,その治療成績はMST(日)404/378と有意な差は認められなかったが,3年生存率(%)が4.2/17.5と併用群で長期生存者の出現が目立っていた.単独群では手術転換可能となった症例はなかったが,併用群では3例手術転換可能となり,2例で無再発生存が得られていた.これらの症例の化学療法前の非治癒切除因子は,それぞれ大動脈周囲リンパ節転移(#16a2)とbulkyリンパ節転移であった.【結論】当科において,化学療法後手術転換が可能と判断した症例は,他臓器転移例にはなく,高度進行リンパ節転移症例に限られていた.胃癌領域においてはS-1+CDDPが標準治療となっており,併用レジメンで治療成績が向上する傾向にある.当科では現在JCOG研究で進行胃癌に対する術前化学療法や多剤併用化学療法の研究に参加しており,その治療成績や手術転換可能となった症例の報告が期待される. |
索引用語 |