セッション情報 ポスター

胃癌 化学療法2

タイトル P-454:

トラスツズマブを用いた化学療法ののち根治切除が行えたHER2陽性進行胃癌3症例の検討

演者 山本 和義(国立病院機構大阪医療センター外科)
共同演者 藤谷 和正(国立病院機構大阪医療センター外科), 平尾 素宏(国立病院機構大阪医療センター外科), 長谷川 祐子(国立病院機構大阪医療センター消化器科), 浅岡 忠史(国立病院機構大阪医療センター外科), 宮本 敦史(国立病院機構大阪医療センター外科), 池永 雅一(国立病院機構大阪医療センター外科), 宮崎 道彦(国立病院機構大阪医療センター外科), 池田 正孝(国立病院機構大阪医療センター外科), 中森 正二(国立病院機構大阪医療センター外科), 真能 正幸(国立簿病院機構大阪医療センター臨床検査科), 関本 貢嗣(国立病院機構大阪医療センター外科)
抄録 【はじめに】ToGA試験の結果から,Her2陽性進行再発胃癌に対しTrastuzumabを併用した化学療法が広く行なわれているが,Trastuzumabを含む化学療法後に手術を行なった報告は少ない.今回,治癒切除が困難なHER2陽性進行胃癌に対し,Trastuzumabを含む化学療法のあと根治切除が施行できた3例を経験したので,化学療法後の切除標本HER2検査結果も加え報告する.【症例1】62歳,男性.左鎖骨上リンパ節転移を伴う噴門部3型胃癌(tub1,HER2;IHC3+)に対しXP+Trastuzumab(Xeloda:3000mg day1-14,CDDP:130mg day1,Trastuzumab:480mg(2回目以降360mg)day1,q21days)を6コース施行後,右開胸開腹食道亜全摘+3領域郭清+胃管再建術を施行.【症例2】68歳,男性.肝転移を伴う胃角部前壁の2型胃癌(tub1,HER2;IHC3+)に対しSP+Trastuzumab(S-1:120mg day1-14,CDDP:90mg day1,Trastuzumab:480mg(360mg)day1,q21days)を6コース施行後,幽門側胃切除術+D2郭清+肝部分切除術を施行.【症例3】胃傍大動脈リンパ節転移と十二指腸Skip lesionを伴う体下部3型胃癌(tub2,HER2;IHC3+)に対しXP+Trastuzumab(Xeloda:3600mg day1-14,CDDP:140mg day1,Trastuzumab:550mg(384mg)day1,q21days)を6コース施行後,幽門側胃切除術+D3郭清術を施行.いずれの症例も術前RECIST判定でPR,術後重篤な合併症なく退院した.病理学的効果判定(症例1/2/3)はGrade1b/2/1aで,切除標本における原発巣・転移巣もHER2陽性であった.【考察】Trastuzumabを含む化学療法奏効後も遺残腫瘍にHER2発現を認めた.HER2陽性胃癌に対するTrastuzumabを含む術前術後化学療法は有望な治療法のひとつになりうると考える.
索引用語