セッション情報 ポスター

胃癌 化学療法2

タイトル P-457:

当院におけるBevacizumabを含む化学療法中の消化管穿孔例の検討

演者 表 静馬(独立行政法人国立病院機構福山医療センター内科)
共同演者 豊川 達也(独立行政法人国立病院機構福山医療センター内科), 岡本 明子(独立行政法人国立病院機構福山医療センター内科), 宮阪 梨華(独立行政法人国立病院機構福山医療センター内科), 渡邊 一雄(独立行政法人国立病院機構福山医療センター内科), 藤田 勲生(独立行政法人国立病院機構福山医療センター内科), 寺尾 正子(独立行政法人国立病院機構福山医療センター内科), 村上 敬子(独立行政法人国立病院機構福山医療センター内科), 友田 純(独立行政法人国立病院機構福山医療センター内科)
抄録 【目的】Bevacizumabは近年,結腸直腸癌,非小細胞非扁平上皮肺癌に対して適応となっており,日常臨床での使用頻度も増加する一方,bevacizumabに特徴的な合併症である消化管穿孔と遭遇する機会もまれではなくなってきている.【方法】2011年6月から2012年7月までに当院にて施行したBevacizumabを含む化学療法中に消化管穿孔をきたした5症例を対象とし,その臨床的特徴について検討した.【結果】原疾患は大腸癌2例,肺癌3例であった.肺癌の3例のうち保存的に加療された1例を除いて,残り2例はいずれも緊急手術が施行され,穿孔部位はいずれも小腸であった.また病理学的検討では,いずれも転移した腫瘍の腫瘍底の破綻が穿孔の原因であった.一方で大腸癌の2例では1例が十二指腸穿孔,もう1例が大腸穿孔であった.十二指腸穿孔例については十二指腸潰瘍の穿孔が疑われ,穿孔部に対して大網充填術を施行された.穿孔部に対しては病理学的検索を行えていないが,術中所見および術後の上部消化管内視鏡検査でも転移を疑う所見を認めなかった.また大腸穿孔例に対しては緊急で腸管切除・吻合術を施行したが,穿孔部位に腫瘍細胞は認められず,特発性大腸穿孔と診断した.穿孔時期については肺癌の3例は,初めてBevacizumabを投与してから5日,60日,98日目と当院における大腸癌の穿孔例と比べて比較的早期に穿孔を認めた.大腸癌の2例はそれぞれ投与開始から106日,198日目と,ある程度時間が経過した後に穿孔を認めた.また,穿孔後に手術を施行した4例のうち,1例で縫合不全を認め致死的な転機となった.残りの3例については術後経過に問題は認めなかった.【結論】当院の消化管穿孔例では肺癌と大腸癌では穿孔部位,穿孔様式,穿孔時期が異なっており,今後これらについて更に検討を要するものと考えられた.
索引用語