セッション情報 |
ポスター
胃・十二指腸 治療
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タイトル |
P-458:切除不能胆膵癌における内視鏡的十二指腸ステント留置術の役割
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演者 |
戒能 聖治(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科) |
共同演者 |
播磨 博文(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科), 末永 成之(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科), 植木谷 俊之(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科), 原野 恵(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科), 戒能 美雪(山口労災病院消化器内科), 坂井田 功(山口大学大学院医学系研究科消化器病態内科) |
抄録 |
【背景・目的】切除不能胆膵癌ではその進行に伴い,十二指腸狭窄を来すことがしばしば経験される.十二指腸狭窄により食欲低下,嘔気・嘔吐などの症状が出現し患者のQOLは大きく損なわれる.内視鏡的十二指腸ステント留置術は患者への大きな侵襲を与えることなく症状を軽減することが期待される.当院および関連施設における切除不能胆膵癌に対する内視鏡的十二指腸ステント留置術の現状および成績について報告する.【対象・方法】対象は2008年1月から2012年8月までに十二指腸狭窄を呈した切除不能胆膵癌症例に対して内視鏡的十二指腸ステント留置を施行した38例(男18例,女性20例).年齢中央値は75歳(49-86歳)であり,原疾患の内訳は膵癌26例,胆嚢癌6例,胆管癌4例,乳頭部癌2例であった.十二指腸ステントはWallFlex duodenal stent(Boston Scientific),Niti-S stent(Taewoong)を使用した.治療効果(経口摂取レベル/GOOSS),ダブル・メタリックステンティングの有無,偶発症(早期・晩期),生存期間について検討した.【成績】全例で十二指腸ステント留置は可能であった.十二指腸ステント留置後のGOOSSは38例中36例が2以上であった.ダブル・メタリックステンティングを行った症例は19例で,同時に留置した症例は3例であった.重篤な早期合併症はなく,晩期合併症は1例に胆管炎,1例にステント内腫瘍発育による再狭窄を認めた.生存期間中央値は72.5日(8-469日)であった.【結論】全症例で比較的容易に十二指腸ステントを留置することが可能であった.十二指腸ステントを留置することで,経口摂取レベルの改善および嘔気・嘔吐などの症状の改善が認められ,切除不能胆膵癌の緩和治療として有用であると考えられた.また,ダブル・メタリックステンティングを行うには症例ごとでの慎重な位置合わせが必要であると考えられた. |
索引用語 |
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