セッション情報 ポスター

胃・十二指腸 治療

タイトル P-459:

悪性胃・十二指腸狭窄に対するself-expandable metallic stent(SEMS)使用例の検討

演者 星野 崇(国立病院機構高崎総合医療センター消化器病センター)
共同演者 小板橋 絵理(国立病院機構高崎総合医療センター消化器病センター), 上原 早苗(国立病院機構高崎総合医療センター消化器病センター), 坂本 直美(国立病院機構高崎総合医療センター消化器病センター), 長沼 篤(国立病院機構高崎総合医療センター消化器病センター), 工藤 智洋(国立病院機構高崎総合医療センター消化器病センター), 高木 均(国立病院機構高崎総合医療センター消化器病センター), 石原 弘(国立病院機構高崎総合医療センター消化器病センター)
抄録 【はじめに】進行膵癌や進行胃癌により消化管閉塞を来たすと,脱水症状や栄養障害から予後はさらに厳しくなり,QOLも著明に低下する.平成22年4月に本邦で初めて胃十二指腸閉塞に対する十二指腸ステントが使用可能となり,以降,当院では適応と考えられる症例に対しては積極的にSEMSを使用し,QOLの改善を図ってきた.今回,当院でのSEMS使用例について臨床的な検討を行った.【対象・方法】平成22年9月より平成24年8月までの間に当院で悪性胃・十二指腸狭窄に対しSEMSの留置を行った11例について検討を行った.男性7例,女性4例,平均年齢は71歳(45-86).基礎疾患は膵癌が6例,胃癌が4例,右腎尿管癌が1例.狭窄部位は膵癌と右腎尿管癌は全例十二指腸(水平脚4例,球部2例,下十二指腸角1例)で,胃癌は幽門部3例,吻合部1例だった.【結果】SEMS留置前後のGastric outlet obstruction scoring system(GOOSS)を用いた評価では,0から3が3例,0から2が3例,0から1が3例,1から3が1例,1から2が1例と全例で摂食状況の改善を認めた.SEMS留置に伴う合併症は術後の膵炎の1例のみで,保存的に軽快した.術後の観察期間は平均93.9日間(7-301)であり,観察期間内にステント閉塞した症例は2例で,共に胃癌の症例であり,それぞれ27日後,109日後に閉塞を来した.観察期間内の死亡例は8例で,平均生存期間は104.6日間(7-301)であった.【結論】悪性胃・十二指腸狭窄に対しSEMSの留置を行い,比較的低侵襲で摂食状況,QOLの改善が可能であった.予後不良であるが,消化管閉塞によりQOLが低下している症例などは良い適応と考えられる.
索引用語