セッション情報 |
ポスター
胃・十二指腸 治療
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タイトル |
P-460:悪性胃十二指腸狭窄に対して消化管ステントを留置した3例の検討
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演者 |
神渡 翔子(京都民医連中央病院内科) |
共同演者 |
水島 麻依子(京都民医連中央病院内科), 木下 公史(京都民医連中央病院内科), 田中 憲明(京都民医連中央病院内科) |
抄録 |
【はじめに】十二指腸ステントは胃癌,膵癌など切除不能悪性胃十二指腸閉塞に対して使用され,バイパス手術より低侵襲で治療効果が得られると考えられている.【目的,方法】2010年9月より当院で経験した胃十二指腸ステント留置3症例に対し,GOOSSスコア,自覚症状,処置後経過,合併症について考察した.【症例1:38歳女性】胃癌による胃前庭部から十二指腸下行部の狭窄に対し,胃十二指腸ステントを留置した.肝内胆管の肝門部での閉塞も認め,胆管ステント留置を先行していた.処置後嘔吐は消失,流動食とゼリー摂取は可能となりGOOSS:0点から2点に改善し,化学療法の導入が可能となった.処置40日後より経口摂取量が減少し,75日後在宅で死亡した.【症例2:76歳男性】胃癌による胃幽門部から十二指腸下行部の狭窄に対し十二指腸ステント留置行った.留置後から腹痛と発熱を認め,ステントによるVater乳頭圧迫が原因と考えられる急性膵炎,閉塞性胆管炎を発症した.膵炎は保存的に改善認め,胆管炎に対してはPTCD施行し,改善を認め,GOOSS:0点から1点へ改善認めた.経口摂取は処置99日後まで可能であり,111日後原病の進行によるイレウスにて死亡した.【症例3:88歳女性】胆管癌による十二指腸球部から下行部の狭窄に対して十二指腸ステント留置した.また7ヵ月前に胆道メタリックステント留置後であった.処置1日後のみ流動食摂取できたが,処置2日後から発熱認め,十二指腸ステントによる胆管および胆管ステントの圧排が原因と考えられる胆管炎を発症し,DICも発症,処置3日後にPTCD施行したが,全身状態の悪化により処置4日後に死亡した.【考察】当院では2/3例で経口摂取可能となり,全例で嘔吐の消失を認めた.既報告では,胃十二指腸ステントの治療成績は良好で,合併症は比較的少ないと言われているが,当院では重篤な合併症も経験しており,今後更なる症例の蓄積,検討が必要と考えられる. |
索引用語 |
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